1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04454617
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
松岡 英明 東京農工大学, 工学部, 教授 (10143653)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
根本 泰行 東京農工大学, 工学部, 講師 (70202249)
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Keywords | PC12h-R / 神経成長因子 / 孤立細胞培養系 / フロー型培養システム / 共存細胞効果 |
Research Abstract |
平成4年度の研究成果により、共存細胞(細胞からの分泌性因子あるいは細胞自体)が神経線維誘導活性を示すことが明かとなった。本年度はこの点をさらに究明するために以下の項目についてしらべた。 (1)NGF以外の誘導活性因子(インシュリン様成長因子、表皮細胞成長因子,線維芽細胞成長因子など6種;神経伝達物質およびホルモン5種;セカンドメッセンジャー1種)について、濃度依存性を調べた。孤立細胞培養系を用いることにより、これらの因子の作用が濃度によって異なることが示された。例えばアドレナリン(10〜100μM)では10μMで最大、100μMで最小の活性であった。また、その作用の現れる時間も濃度によってことなり、アドレナリンの場合、10μMでは24hrで最大活性となり、50μMの時は48hrで最大活性となった。 (2)PC12h-R以外の細胞が共存した場合の効果について調べた。ラット由来細胞5種(肝細胞癌,骨格筋芽細胞,偏平上皮有棘細胞癌,肝臓,肝上皮細胞)を培養した後の培養液上清をPC12h-Rの培養系に添加した。その結果、これらも神経線維誘導活性を示した。最も活性の高かったのは肝細胞癌由来のFAA-HTC1細胞であった。 (3)孤立細胞培養系の特長を生かしつつ、かつ顕微鏡上で異なる反応条件について、くり返し同じ細胞(群)の応答を調べるために、新たにフロー型培養システムを開発した。このフロー系を用いて、NGFの作用と洗浄をくり返したところ、神経線維の発現・伸長,収縮・消失が必ずしもNGFの作用と同調していないことが明かとなった。 (4)フロー型培養システムは顕微鏡像の解析も併せて行えるので、細胞の形態変化を指標としたバイオアッセイ系として有用であることが示された。他の培養細胞・組織にも十分適応できるものと考えられた。 以上の結果、神経線維発現のトリガーとして作用する化学物質は極めて種類が多く、また作用機序も異なると結論された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] K.Oh,H.Matsuoka,T.Teraoka,O.Sumita,K.Takatori,H.Kurata: "Effect of Antimycotics on the Biosynthesis of Cellular Macromolecules in Aspergillus niger Protoplasts." Mycopathologia. 122. 135-141 (1993)
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[Publications] H.Matsuoka,Y.Kazuno,T.Horie,T.Homma,Y.Nemoto: "Effect of Coexisting cells on the NGF-Inducing Neurite Growth from PC12h-R." Cytotechnology. 11. 59-65 (1993)
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[Publications] K.Oh,H.Matsuoka,Y.Nemoto,O.Sumita,K.Takatori,H.Kurata: "Determination of Anti-Aspergillus Activity of Antifungal Agents Based on the Dynamic Growth Rate of a Single Hypha." Appl.Microbiol.Biotechnol.39. 363-367 (1993)
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[Publications] Y.Kazuno,T.Homma,Y.Nemoto,H.Matsuoka: "Development of a Flow System for the Microscopic Observation of Cultured Nerve Cells and Its Application to the Neurite Growth Control of PC12h-R." Biochim.Biophys.Acta.1178. 299-301 (1993)
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[Publications] J,C.Park,Y.Nemoto,T.Homma,W.Jing,Y.Chen,H.Matsuoka,H.Ohno,K.Takatori,H.Kurata: "Adaptation of Aspergillus niger to Short-term Salt Stress." Appl.Microbiol.Biotechnol.40. 394-398 (1993)