1992 Fiscal Year Annual Research Report
森林群落の構造と機能に関する自然保護教育のカリキュラム作成及び指導の基礎的研究
Project/Area Number |
04454622
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Research Institution | National Museum of Nature and Science,Tokyo |
Principal Investigator |
矢野 義治 国立科学博物館, 筑波実験植物園・育成主幹 (40166567)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平山 良治 国立科学博物館, 筑波実験植物園, 研究官 (50124186)
松本 定 国立科学博物館, 筑波実験植物園, 研究官 (80132695)
八田 洋章 国立科学博物館, 筑波実験植物園, 主任研究官 (70132694)
手塚 映男 国立科学博物館, 筑波実験植物園, 園長 (90000108)
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Keywords | 科学教育 / 自然保護教育 / 環境教育 / 森林生態学 |
Research Abstract |
1.自然学習実験地の設定 本研究の実施計画に従って、まず、筑波実験植物園のアカマツが優占する群落内に、自然学習実験地を設け、その中に植物群落の調査のため、南北に10m、東西に15mの永久方形区を設定した。 2.植物群落の調査 上記の方形区の群落構成種の種類および生活型組成、優占度の測定、および分散図の作成を行った。その結果、高木層はアカマツ、亜高木層はコナラ、低木層はヒサカキ、草本層はアズマネザサが優占種であることが明らかになった。なお、草本層には、チゴユリ等も生育しており、季節を追って調査を行うことにしている。また、種類組成、群落構造等の比較のため、伊豆半島のクロマツ群落の調査を行った。 3.観測塔の設置と温度、照度の測定 群落内に、高さ12mのコンクリート製の電柱を立て、群落の階層に対応させて、高さ10m、5m、0.3mの所に温度と照度のセンサーを設置した。全天部は林外にセンサーを設置した。また、土壌温度測定のため、深さ5cm、10cm、30cmの土中に温度センサーを埋設した。これらをリード線でグリーンキッド、パソコンからなる記録装置に接続し、10秒ごとに測定値をモニターテレビに表示するようにした。なお表示は、学習の必要に応じて数字、階層図上、日変化グラフの3つに切り替えられようにした。 4.測定結果について 平成5年3月6日(晴天)正午の温度及び照度を例示すると、温度では、全天22.1度、高木層16.7度、亜高木層16.7度、低木層16.2度、照度は、全天84953.7Lux(100%)、高木層41778.8Lux(49.2%)、亜高木層7987.8Lux(9.4%)、低木層4619.1Lux(5.4%)となり、良好な結果を得ている。 5.カリキュラムの作成 現在、以上の調査を継続するとともに、調査の結果から得られつつある資料を整理し、森林群落の自然保護教育に関する学習の内容、方法、過程等のカリキュラムについて検討と研究を行っている。
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