1992 Fiscal Year Annual Research Report
古紙のリサイクルによる環境負荷とエネルギーの削減効果
Project/Area Number |
04455008
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中西 準子 東京大学, 環境安全センター, 助教授 (10010836)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 規之 東京大学, 工学部, 助手 (40196853)
岡 敏弘 滋賀県琵琶湖研究所, 研究員
尾鍋 史彦 東京大学, 農学部, 教授 (40012025)
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Keywords | 古紙 / リサイクル / エネルギー消費 / 環境負荷 |
Research Abstract |
古紙を原料にして、再生紙を作るときの、エネルギー消費量、環境への負荷について調べ、それを木材チップから作る場合(ここでは、クラフトパルプ)とのそれらを比較した。 エネルギー消費量を、10^6cal(これをGと表す)で表現すると、クラフトパルプ1トン製造するためには、2.36G必要だが、再生紙からリサイクルパルプをつくる時には0.6G必要となる。生産に必要なエネルギーの比較では、リサイクルパルプが省エネルギー的に見えるが、クラフトパルプ製造工程では、廃液の燃焼で3.97Gのエネルギー回収を行っているので、外部からエネルギー補給を行わずに生産できる。外部からのエネルギー供給量だけで見ると、バージンパルプ(クラフト)の方が、省エネルギー的になる。こういうことが起きるのは、そもそもエネルギー比較の方法がはっきりしていないことが原因である。そこで、ここでは、原料の木材や古紙もエネルギーとして評価する方法(全エネルギー損失を評価する方法)を用して、エネルギー評価した。全エネルギー損失では、クラフトが1トン当り3.38G、リサイクルが0.93Gとなる。 一方、環境負荷を調べた。環境への負荷もまた、エネルギーの単位で表現しているのが、本研究の特色である。大気への負荷、水系への負荷固体廃棄物の負荷を検討した。固体廃棄物の負荷には、製造工程でできるペーパースラッジと、捨てられるとき発生する紙ゴミの環境への負荷を評価した。大気、水系への負荷は、一定の水準まで低下させるために使われるエネルギーと、そこで、発生するペーパースラッジが環境に与える負荷で評価した。統計で、クラフトは5.74G、古紙パルプは1.1Gであった。エネルギー消費と環境への影響の合計では、クラフトは、7.35Gリサイクルが2.03Gであった。
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Research Products
(1 results)