1992 Fiscal Year Annual Research Report
哺乳類のゲノミック・インプリンティングに関わる遺伝子群の解析
Project/Area Number |
04455013
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
石野 史敏 東京工業大学, 遺伝子実験施設, 助教授 (60159754)
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Keywords | ゲノミック・インプリンテング / サブトラクション / 遺伝子増幅法 / cDNAライブラリー |
Research Abstract |
マウス受精卵由来,及び単為発生卵由来の胎児(9日胚)からcDNAライブラリーを作製し、2つのライブラリー間で発現に差のある遺伝子群(ゲノミック・インプリンティング遺伝子群)のスクリーニングとそれに関わる新技術の開発を行った。 cDNAライブラリー作製については上記の材料から、まず常法によってλZAPIIファージシステムによるcDNAライブラリーの作製を行い、ライブラリーサイズ、含まれるcDNAのサイズの検討を行った。また、片方のライブラリーからはmRNA、もう一方からはssDNAを作製し、RNA-DNAのハイブリダイゼーションを用いたサブトラクションによる遺伝子のスクリーニングを行っている。ここで特に問題となるのは、計画当初から明らかだったように、単為発生卵由来の材料が少量しかないため、充分な大きさのcDNAライブラリー作製が難しい点で、2つのライブラリー間の大きさを補正しつつサブトラクションを効率よく行えるよう改良を行っている。またサブトラクション法に関しては、バイオイメージングアナライザーを用いることによりアイソトープの高感度定量化が期待できることから、画像解析ソフトと結合した新しいプラスマイナス法を開発中である。これを用いて将来的にゲノミック・インプリンティング遺伝子のスクリーニングを自動化することを考えている。この材料の少量化の問題を解決するために進めていた遺伝子増幅法を用いたcDNAライブラリー作製は、条件検討を繰り返した結果、本年度中に増幅できるcDNAサイズの上限を4〜5Kbまで、さらに8〜10Kb近くまでと大幅に上昇させることに成功した。この条件を用いればcDNAライブラリーとしては充分満足なものが作製できると考えている。
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