1993 Fiscal Year Annual Research Report
合成二分子膜の分子設計と蛋白質の膜局在化シグナルの改変による蛋白質の集積機能化
Project/Area Number |
04455020
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
国武 豊喜 九州大学, 工学部, 教授 (40037734)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
君塚 信夫 九州大学, 工学部, 助教授 (90186304)
伊藤 明夫 九州大学, 理学部, 教授 (30037379)
浜地 格 九州大学, 工学部, 助教授 (90202259)
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Keywords | 脂質二分子膜 / ミオグロビン / リピドアンカー / シグナル配列 / 膜結合性蛋白質 / タンパク集積体 |
Research Abstract |
本研究の目的は、タンパク質を二分子膜に集積組織化するために適した二分子膜とタンパク質の分子設計指針を確立することである。 本年度は昨年度に膜結合シグナル(長鎖アルキル基)のタンパク質への導入法の新手法として確立した再構成法を利用して、いくつかのアルキル長鎖をミオグロビンに導入し導入されたシグナル部分の構造と膜親和性の相関について検討した。再構成によってシグナル部位を導入するために、ヘム部位に長鎖アルキル基を共有結合したプロトヘムを合成しアポミオグロビンと混合した。得られたリピドアンカーミオグロビンの膜親和性はゲル〓過、限外〓過膜を用いた平衡透析、膜結合色素の蛍光消光実験で評価した。 その結果、疏水性のアンカーを有するミオグロビンは親水性のものに比べてはるかに強い膜親和性を示した。また長鎖アルキル基とヘムの間にエチレングリコール部分をスペーサーとして導入すると膜親和性が大きく向上することが分かった。このスペーサー効果はエチレングリコール単位が一個から四個になるにしたがってより膜親和性が高くなることで明瞭に示された。 以上のようにタンパク質表面に位置特異的に導入されたシグナル部位(まだ単純なアルキル長鎖であるが)によって水溶性タンパク質の膜親和性が大きく変化することが分かった。またこの手法によって導入するアルキル長鎖の構造がその親和性に大きく影響することが化学的に示されつつあると考えられる。ここで得られた知見はタンパク質の脂質二分子膜への集積化に有用になるであろう。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 浜地 格: "Anisotropic Incorporation of Lipid-Anchored Myoglobin into a Phospholipid Bilayer Membrome" Journal of the American Chemical Society. 115. 4966-4970 (1993)
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[Publications] 浜地 格: "Lipid Anchored Myoglobin 2.Effect of the Anchor Structure on Membrane Binding" Chemistry Letters. 1175-1178 (1993)
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[Publications] 浜地 格: "Energy Transfer from Zinc-Myoglobin to a Cyanine Dye Facilitated by Their Simultaneous Binding to a Phosphate Bilayer Membrome" Chemistry Letters. 1551-1554 (1993)