1993 Fiscal Year Annual Research Report
ポリオウイルス感受性トランスジェニックマウスによる経口生ワクチン検定法の開発
Project/Area Number |
04507002
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Research Institution | 国立予防衛生研究所 |
Principal Investigator |
倉田 毅 国立予防衛生研究所, 感染病理部, 部長 (50012779)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土居 穣 日本ポリオ研究所, 部長 (00110354)
茅野 文利 国立予防衛生研究所, 安全性研究部, 部長 (80072908)
有田 峰生 国立予防衛生研究所, 感染病理部・ウイルス製剤部, 部長 (90100065)
青木 淳賢 (財)都臨床医学総合研究所, 微生物部, 研究員 (20250219)
野村 達次 (財)実験動物中央研究所, 所長 (10072399)
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Keywords | ポリオウイルス / PVR / トランスジェニックマウス |
Research Abstract |
ヒトのポリオウイルスが感染しないマウスに、ヒトポリオウイルスレセプター(PVR)遺伝子を組み込んだトランスジェニックマウス(Tg)を作成し、ポリオウイルスを感染させることにより、ヒトのポ同様の典型的四肢マヒを起こし、その感染病理像がヒトのそれに酷似した系を確立した。この系を用い、強毒Mahoney株と、従来のワクチン株(Sabin)との比較を神経病原性の点から試み、現行のサルを用いた検定法にかわり得るかどうかの検討を行ない、次の結果を得た。 【.encircled1.】ポリオウイルスに対して感受性の高いTg-1とTg-21の神経病原性の比較を行ない、Tg-21の方がよりmildに経過し、ヒトの病理像に近いものが得られることが判った。【.encircled2.】ICRマウスのPVR Tg-21で、Tg-1同様、Mahoney株の経口投与で感染は成立し、四肢マヒがみられ、ウイルス病理学的に脳幹、脊髄の神経細胞にウイルス抗原が病像に比例して検出された。【.encircled3.】Tg-21の脊髄内接種でも同様の結果が得られた。【.encircled4.】病理組織学的には、脊髄内へウイルス接種後7日以内の早期にマヒ、死亡を起こすマウスでは、感染壊死細胞や血管周囲への炎症細胞浸潤は少ないが、以後中期生存、長期生存例では、ヒトやサルの病理像に類似した所見が認められた。【.encircled5.】50%のマヒを発現させるPD_<50>法を用い、サルでの病変指数(lesion score)との比較検討を種々のポリオウイルスで試みたところ、サルに対する神経毒力は、Tg-21に対し非常に高い相関を示した。【.encircled6.】1型ポリオウイルスの強、弱株のキメラウイルスをTg-1に接種し、その病原性から、神経毒性の決定基はポリオウイルスRNA5'端の189,21,935の塩基であることが判った。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Hitoshi Horie,Satoshi Koike,Takeshi Kurata et al.: "Transgenic mice carrying the human poliovirus receptor:New animal model for study of poliovirus neurovirulence" Journal of Virology. 68. 681-688 (1994)