1994 Fiscal Year Annual Research Report
上肢運動機能障害児がコンピュータを利用できるキーボード・マウスエミュレータの開発
Project/Area Number |
04551006
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Research Institution | The National Institute of Special Education |
Principal Investigator |
松本 廣 国立特殊教育総合研究所, 教育工学研究部, 研究室長 (60229565)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 泰志 国立特殊教育総合研究所, 視覚障害教育研究部, 研究員 (60207850)
渡邊 章 国立特殊教育総合研究所, 肢体不自由教育研究部, 主任研究官 (50175080)
山下 皓三 国立特殊教育総合研究所, 重複障害教育研究部, 研究部長 (30166673)
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Keywords | 上肢運動機構障害 / コミュニケーション支援 / コンピュータ / アクセシビリティ |
Research Abstract |
前年度までに、上肢に運動・動作の障害があるため、コンピュータの機能を利用した情報処理活動(コミュニケーションの支援、学習や情報収集の支援など)に困難を伴う児童生徒に、コンピュータの操作を可能にするために多機能なキーボード・マウスエミュレータ「WING-52」を開発した。 この「WING-52」を基にした汎用キーボード・マウスエミュレータが、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)より開発補助金を獲得し、市販化されるプロジェクトに引き継がれた。 障害がる子どもたちのニーズに応じた「WING-52」の仕様やその仕様を実現するノ-ハウを、市販化を担当するメーカーに伝達し、平成6年3月に市販化版キーボード・マウスエミュレータのハードウェアが完成した。 市販化版キーボード・マウスエミュレータは、現在数教育現場で使用されている4機種のコンピュータに対応し、それぞれの機種に対して16種類のコンピュータ入力支援機能を搭載し、そのなかの一つをスイッチで選択して利用できる仕様になっている。 なお、平成7年度は継続されるNEDOの開発補助金により、このキーボード・マウスエミュレータの制御ソフトウェアを開発し、平成8年3月には市販化される予定である。 なお、研究成果報告書を200部作成し、関係機構に領布した。
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[Publications] 松本 廣: "ボード・マイコンによるキーボード・マウスエミュレータの利用-肢体不自由教育において情報教育を進めるための一方法-" 日本特殊教育学会大会発表論文集. 31. 398-399 (1993)
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[Publications] 松本 廣:永田和子,下山直人: "「朝の会」の指導における音楽自動演奏教材の利用(その2)-音楽シーケンサと入力エミュレータを組み合わせた教材について-" 心身障害児学習用コンピュータソフトの開発と普及方策に関する研究 国立特殊教育総合研究所特別研究報告書.
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[Publications] 40-43 (1994)
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[Publications] 松本 廣: "肢体不自由教育におけるコンピュータの利用(研究時評)" 特殊教育学研究. 32(1). 45-53 (1994)
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[Publications] 松本 廣・濱出理恵・中島明弘: "上肢運動機能障害児のためのコンピュータ操作環境の改善(4)-GUIとマルチメディアソフトウェアを利用した指導事例から-" 日本特殊教育学会大会発表論文集. 32. 348-349 (1994)
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[Publications] 松本 廣: "コンピュータを使用した脳性まひ児のコミュニケーション支援-入力エミュレータを使用した意思表出の援助-." 教育工学関連学協会連合全国大会講演論文集. 4(第一分冊). 359-362 (1994)
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[Publications] 松本 廣: "肢体不自由児のコミュニケーション・ニーズへの援助-障害の状態に対応した「書字援助システム」による4事例の表現からの考察-" 国立特殊教育総合研究所研究紀要. 22. 17-25 (1995)