1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04554002
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
馬場 直志 北海道大学, 工学部, 助教授 (70143261)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯部 〓三 国立天文台, 助教授 (20012867)
覚間 誠一 北海道大学, 工学部, 助手 (90204338)
三浦 則明 北海道大学, 工学部, 助手 (30209720)
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Keywords | 天体スペックル / スペックル干渉 / 分光法 / 分光器 / 天体スペクトル |
Research Abstract |
平成5年度においては、昨年度作製したスペックル分光カメラを使用して、国立天文台岡山天体物理観測所188cm望遠鏡での観測及びそのデータ解析を中心に行った。スペックル分光データの解析には、従来から使用してきたshift-and-add法以外に、相互相関法を導入した。以下に本年度の研究成果の概略を述べる。 1992年10月末に行った単独星の観測データ処理より、αPerのHα吸収線及びγCasのHα輝線を再生した。ここでは、shift-and-add法と相互相関法との比較を行い、後者の方がより良い再生結果を与えることがわかった。また、αPerとほぼ同じスペクトル型を持つプロシオンのスペクトル・プロファイルが通常のスリット分光法により得られていたので、これを我々のスペックル分光再生スペクトルプロファイルと比較した。その結果、両者が良好な整合性を有することがわかった。このことは、従来のスリット分光法で行われてきたスペクトルの定量解析が、スペックル分光法によって再生されたスペクトルを使って、十分可能であることを示している。 1993年8月末の観測では、主に2重星について行った。この中で、角距離0.26秒離れているADS12973のスペクトル再生に成功し、主星及び伴星のHα吸収線を分離した。このことは、スペックル分光の最大の特長である高空間分解能特性を明白な形で示したことになる。さらに、Be星として知られているφAndのスペックル分光により、主星にはHαの輝線が見られるものの、主星から0.53秒離れている伴星にはHαの吸収線しか認められないことを見い出した。このことは、天体を点ごとに異なったスペクトル分布であっても再生できることを明白に示している。 本年度末には、海外での観測に向けて、コンパクトなスペックル分光カメラの製作も行った。我々のスペックル分光法は、高空間分解能という他にはない特長を持っており、口経の大きな望遠鏡でこの長所が活きる。
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Research Products
(2 results)