1992 Fiscal Year Annual Research Report
空気シンチレーション光による超高エネルギー宇宙線飛跡撮像装置の開発
Project/Area Number |
04554005
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
手嶋 政廣 東京大学, 宇宙線研究所, 助教授 (40197778)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 誠司 (株)浜松ホトニクス, 技術部主任部員
林田 直明 東京大学, 宇宙線研究所, 助手 (50114616)
木舟 正 東京大学, 宇宙線研究所, 助教授 (40011621)
永野 元彦 東京大学, 宇宙線研究所, 教授 (00013384)
|
Keywords | 宇宙線 / 空気シンチレーション光 / マルチアノード光電子増倍管 / 空気シャワー / 反射望遠鏡 / フォトンカウンティング |
Research Abstract |
大気中に高エネルギー宇宙線が突入すると空気シャワーを引き起こし、多数の二次粒子を生成する。これらの二次粒子が大気中の窒素分子、および酸素分子を励起することにより、シンチレーション光が放出される。このシンチレーション光は最高エネルギー領域宇宙線(【greater than or equal】10^<18>eV)を観測する上で非常に有効であり、我々は将来計画として有効面積〜3000km^2を持つシンチレーション光観測装置を検討している。本研究では撮像装置部分にマルチアノード光電子増倍管を用い、0.5゚のピクセルで12゚×8゚の視野を持つ高分解能撮像装置の開発を行なう(望遠鏡1台分の視野に対応している) マルチアノード光電子増倍管に関しては、新しい方式のものを浜松フォトニクスと共同開発してきた。この光電子増倍管は従来のものと比べ大型の5"角のものであり、光電面のうち104mm×104mmの有感領域が8×8ケのセルに分割されている。新しいダイノード構造を採用することにより、クロストークは数%以下に減少し、電荷分解能が向上するという結果が得られた。また、並行してXYステージを使ったキャリブレーションシステムの製作をすすめている。 フォトンカウンティング法により、明野観測所周辺でのバックグランド光の測定を行ない、夜光とほぼ同等量の人工光バックグランドが存在することがわかった。 バックグランド光除去のための光学フイルターに関しても検討を進めてきた。ワイドバンドのカラーフイルター、干渉フイルターによるトリプルバンドパスフイルター等をデザインし試作を行なった。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] N.Chiba et al.: "Possible Evidence for ≧ 10GeV Neutrons Associated with The Solar Flare of 4 June 1991," Astroparticle Phys.1. 27-32 (1992)
-
[Publications] M.Teshima et al.: "Telescope Array for Advanced Studies of Cosmic Rays at The Highest and TeV Energies," Nucl.Phys.B(Proc.Suppl.). 28B. 169-175 (1992)
-
[Publications] N.Chiba et.al.: "Akeno Giant Air Shower Array(AGASA)covering 100km^2 area," Nucl.Inst.and Meth.A311. 338-349 (1992)
-
[Publications] M.Nagano et al.: "Energy Spectrum of Primary Cosmic Rays above 10^<17>eV Determined from The Extensive Air Shower Experiment at Akeno," J.Phys.G:Nucl.Phys.18. 423-442 (1992)