1992 Fiscal Year Annual Research Report
希釈冷凍機を用いた高分解能大質量極低温粒子検出器の開発
Project/Area Number |
04554007
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
蓑輪 眞 東京大学, 理学部, 助教授 (90126178)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 隆行 東京大学, 理学部, 助手 (80202414)
大塚 洋一 東京大学, 低温センター, 助教授 (50126009)
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Keywords | 希釈冷凍機 / 極低温 / 粒子検出器 / ボロメータ / NTD / サーミスタ |
Research Abstract |
到達温度10mK、約1kgの吸収体結晶を冷却できる専用希釈冷凍機を設計し、デュワー、本体上半部の製作を完了した。これは、天然放射線によるバックグラウンドを低減するために特に吟味した材料を用いた。即ち、デュワー(内筒・外筒下部・断熱シールド)及び、本体の内部断熱真空槽は、無酸素銅を用いている。また本体上部からのγ線バックグラウンドを遮蔽する為の鉛等を設置しやすい構造になっている。 20mKで作動するゲルマニウム高感度サーミスタの試作に成功した。このサーミスタを用いて、フッ化リチウムを吸収体とした極低温粒子検出器を作って、実際に作動させた。この成果は、すでに論文にまとめられ、専門の国際的な学術雑誌に発表されることが決まっている。 同一性能を持つサーミスタの大量生産を目指して、アンチモンをドープしたゲルマニウム単結晶ウェファーから大量の小片を切り出し、常温において個々の抵抗率を手際よく測定するための器具を開発した、これを用いて、性能のよいサーミスタを効率よく選び出すことができるか否かを検証しつつある。 また、この方法とは独立に、熱中性子照射によるNTD(Neutron Transmutation Doping)法によるゲルマニウムサーミスタ作りを試みた。このために高純度ゲルマニウム単結晶を原子力研究所の原子炉で照射した。現在、短寿命同位元素核の崩壊を待っている。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] M.Minowa,M.Sakamoto,Y.Ito,T.Watanabe,W.Ootani,and Y.Ootuka: "Cryogenic thermal detector with LiF absorber for direct dark matter search experiment" Nuclear Instruments and Methods in Physics Research Section A.