1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04554018
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山口 雅彦 東北大学, 理学部, 助教授 (30158117)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平岡 哲夫 三共(株), 活性物質研究所, 所長
平間 正博 東北大学, 理学部, 教授 (30165203)
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Keywords | ポリイン / 抗菌性 / caryoynencins / アルキニル化 / SnCl_4-Bu_3N / 1-アルキン / ロジウム触媒 / 重合 |
Research Abstract |
本研究の目的は,強い抗菌性の期待できる共役ポリイン化合物を合成し,新しい型の抗菌剤を開発するとともに,ポリイン化合物の新しい化学を開拓することである。本年度の研究では,以下の成果を得た。 1)ポリイン化合物の新しい反応 不安定な共役ポリイン化合物誘導体の合成には,できるだけ穏やかな条件下で進行する反応の開発が必要である。まず,アミン程度の塩基性で1-アルキンを活性化する方法を開発した。これは,SnCl_4とBu_3Nを組み合わせる方法で,アルデヒド,アセタール,および不飽和ケトンのアルキニル化に用いることができる。従来の方法が強塩基を用いていたり,また比較的穏やかな反応条件下で進行しても数工程必要としていた変換が,一段階で行なえるようになった。なお,この研究の途中に,アルキニルスズ化合物のβ位炭素が強い親電子的性質を有していることを発見し,新電子的ビニル化剤として利用できることを見いだした。これによって,従来困難とされてきたエノラート誘導体やフェノール類のアセチレンによるビニル化が効率的に行なえることを明らかにした。 2)caryoynencins誘導体の合成研究と生物活性 抗生物質caryoynencinsの合成が進行中である。リチオ化したオクタテトラインを用い,不飽和アルデヒドへの付加および水酸基の転位を行なって,caryoynencinsの炭素骨格の構築を行なった。現在,最後のステップである保護基の除去について検討中である。 3)ポリイン化合物の重合反応 共役ポリイン化合物が濃縮された状態では,極めて重合しやすいことを利用して,ITOガラス上で重合させ,不溶性の黒色フィルムを生成させる方法を確立した。ここで得られたフィルムは10^<-10>Scm^<-1>程度の導電性を示し,これはヨウ素でドープすると10^<-3>Scm^<-1>まで向上した。ポリイン化合物の新しい用途として興味深い。ポリマーの分子構造について検討中である。
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[Publications] M.YAMAGUCHI,A.HAYASHI,M.HIRAMA: "Direct Formation of Reactive Alkynyltrichlorotins from 1-Alkynes,SnCl_4,and Bu_3N" Chem.Lett.2479-2482 (1992)
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[Publications] M.YAMAGUCHI,A.HAYASHI,M.HIRAMA: "Carbomefalation of Ketone Enolates with 1-Alkynes" J.Am.Chem.Soc.(1993)