1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04554018
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
山口 雅彦 東北大学, 理学部, 助教授 (30158117)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平岡 哲夫 三共(株)活性物質研究所, 所長
平間 正博 東北大学, 理学部, 教授 (30165203)
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Keywords | 共役ポリイン / 抗菌性 / caryoynencins / SuCl_4-Bu_3N / 1-アルキン / 全合成 / アナローグ |
Research Abstract |
本研究の目的は、共役ポリイン化合物の新しい化学を開拓し,あわせて新しい型の抗菌剤を開発することである。本年度はcaryoynencins類の合成と生理活性を中心に,以下の成果を得た。 1)caryoynencinsおよび誘導体の合成と生物活性 ポリイン抗生物質caryoynencinsと関連物質の抗菌活性を比較して,分子構造と活性の関係を調べた。まず,リチオ化したオクタテトラインの不飽和アルデヒドへの付加,水酸基の転位,脱保護によって,caryoynencinsの初めての合成に成功した。この方法を用いて,数種のアナローグを合成した。caryoynencinsの(CH_2)_4COOH部をメチル基で置き換えた化合物の活性は天然物とあまり変わらないことより,共役ジエンテトライン部が活性の発現に必要であることがわかった。トリインおよびジインアナローグの活性は低いこと,また,テトライン部をシリル保護した化合物には全く活性がないことから,末端テトライン部が重要であることも明らかとなった。テトライン部とジイン部が共役していない化合物を合成したところ,真菌類の皮膚糸状菌に対して極めて強い活性を示した。 2)アルキニルスズ化合物の新しい反応 SnCl_4とBu_3Nを組み合わせて,1-アルキンより生成させたトリクロロアルキニルスズ化合物に,炭素-炭素三重結合へのカルボスタニル化と言う新反応が起こることを見いだした。これによって,四置換エノンの立体選択的合成がおこなえることを明らかにした。また,従来困難とされてきたフェノール類のアセチレンによる直接ビニル化反応を開発した。アルキニルスズのβ位炭素は親電子的性質を有しており,親電子的ビニル化剤として利用できる。
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[Publications] M.YAMAGUCHI,A.HAYASHI M.HIRAMA: "Carbometalation of Ketone Enolates with 1-Alkynes" J.Am.Chem.Soc.115. 3362-3363 (1993)
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[Publications] M.YAMAGUCHI,M.Sehata A.HAYASHI,M.HIRAMA: "Synthesis of Cyclopent-2-ones through Stepwise〔3+2〕 Cycloaddition of Simple Silyl Enol Ethers and Alk-1-ynes" J.Chem.Soc.,Chem.Commun.1993. 1708-1709 (1993)
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[Publications] A.HAYASHI,M.YAMAGUCHI M.HIRAMA,C.KABUTO,M.UENO: "Structure of Adduct Formed from α-Trichlorastannyl Ketone and Trichloroethynyltin." Chem.Lett.1993. 1881-1884 (1993)