1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04554019
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
富岡 秀雄 三重大学, 工学部, 教授 (20024599)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長村 俊彦 (株)ユニソク, 代表取締役
平井 克幸 三重大学, 工学部, 助手 (80208793)
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Keywords | YAGレーザー / フラッシュ閃光分解 / マトリックス分離分光法 / ジアリールカルベン / アリールナイトレン |
Research Abstract |
本研究は時間分解分光法の検出器として赤外分光器を導入し、低温マトリックス分離分光法と組み合わせて反応性中間体の検出、動力学に汎用できる装置を試作することを目的としている。 本年度は励起光源としてYAGレーザーを用いた場合の基礎的データを集めることと、装置の調整のために適した比較的安定でかつ吸収強度の強い中間体の検討を主に行った。 前者では現有装置である紫外・可視検出器を用いて、YAGレーザーの3倍(355nm)及び4倍波(266nm)を用いた場合の出力調整、ミラーやレンズによる集光部の最適化、さらに光学系、測定回路、プログラムの改良を行った。その結果、YAGレーザーを励起光として用いた場合の問題点は殆ど解決され、10μs以下の時間オーダーまで分光が可能となった。 一方、後者では本装置の立ち上げ用の中間体として比較的寿命が長くかつ可視部及び赤外領域に強い吸収を持つ中間体が必要となることから、このような特性を持つ中間体を低温マトリックス分離分光法と組み合わせて検討した。中間体としては当研究グループでこれまでに多く取り扱っているカルベン、ナイトレンを主体とした。これは、これら中間体はジアゾ、アジド化合物という光に対して鋭敏な先駆体が入手しやすいからである。その結果、立体的に混雑した反応中心を持つジアリールカルベン、やo-位に置換基を持つアリールナイトレンがこの目的に適した中間体であることをみいだした。 以上の結果から、励起光の調整と対象とする中間体は決定できたので、次年度以降赤外検出と紫外・可視検出との対応を検討していく予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] H.Tomioka,K.Hirai and C.fujii: "Flash Photolysis Studies of Highly Hindered Diarylcarbenes.Optical A Bsorption Spectrum and Reactiom Kinetics of 2,2',4'4',6,6'-Hexachlorodiphenylcarbene" Acta Chem. Scand.46. 680-682 (1992)
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[Publications] H.Tomioka and K.Komotsu: "Photochemistry of 1.2.3-Benzotriazin-4-one in Matrices.A New Photochromic Sysrtem Including Triazinone-Azoazetionone Photointerconversion" Chem.Lett.361-364 (1992)
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[Publications] H.Tomioka.K.Hirai and T.Nakayama: "Chemistry,Kinetics and Spectroscopy of Highly Himdered Diarylcarbenes.A Case of Decachlorodiphenylcarbene" J.Am. Chem. Soc.115. (1993)
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[Publications] H.Tomioka,H.Okada and K. Hirai: "Didurycarbene.Chemistry,Optical Absorption Spectrum and Kinetics of Highly Congested Diarylcarbene" J.Am.Chem.Soc.115. (1993)