1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04554019
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Research Institution | MIE UNIVERSITY |
Principal Investigator |
富岡 秀雄 三重大学, 工学部, 教授 (20024599)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長村 俊彦 株式会社ユニソク, 代表取締役
平井 克幸 三重大学, 工学部, 助手 (80208793)
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Keywords | レーザー / フラッシュ閃光光分解 / マトリックス分離分光法 / ジアリールカルベン / アリールナイトレン / デヒドロアゼピン |
Research Abstract |
本研究は時間分解分光法の検出器として赤外分光器を導入し、低温マトリックス分離分光法と組み合わせて反応性中間体の検出、動力学に汎用できる装置を試作することを目的とした。 本年度は先ず、前年度時間分解紫外可視分光法によって比較的長寿命であった立体的に混雑したジアリールカルベンの検出を時間分解赤外分光器を用いて試みた。しかし、これ等ジアリールカルベンはその先駆体であるジアゾ化合物との赤外スペクトルの差が、少なくとも測定可能な領域(2000〜1700cm^<-1>)では認められず、検出することができなかった。 そこで、前年度低温マトリックス分離分光法で中間体を同定した(o-メトキシカルボニル)フェニルアジドを用いた実験を行った。その結果、フラッシュ1μs後に1824と1728cm^<-1>に過渡吸収を観測した。これは低温マトリックス分離分光法の結果からデヒドロアゼピンと同定できた。このものの寿命は2ms以上であった。 以上の結果、低温マトリックス分離分光法、時間分解紫外可視分光法と組み合わせることによって試作時間分解赤外分光器を稼動、性能評価することができた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Shigeru Murata: "Photochemistry of 1,3-Bis(diazo)indan-2-one:Consecutive Decomposition and Suppression of a Wolff Rearrangement" J.Am.Chem.Soc.115. 4013-4023 (1993)
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[Publications] Hideo Tomioka: "Photochemistry of 2-(Methoxycarbonyl)phenyl Azide Studied by Matrix-Isolation Spectroscopy.A new Slippery Energy Surface for Phenylnitrene" J.Am.Chem.Soc.115. 8621-8626 (1993)
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[Publications] Hideo Tomioka: "Photolysis of p-Phenylenebis(chlorodiazirine),Studied by Matrix Isolation Spectroscopy.Generation,Detection and Characterization of p-Phenylenebis(chloromethylene)" Chem.Lett.1291-1294 (1993)
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[Publications] Hideo Tomioka: "Generation,Reactions,Direct Observation and Kinetics of Decafluorodiphenylcarbene" J.Org.Chem.58. 7128-7134 (1994)