1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04554024
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
杉浦 直治 東京大学, 理学部, 助教授 (80196716)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保 章 日本真空株式会社, 計器事業部技術課, 課長
比屋根 肇 東京大学, 理学部, 助手 (70192292)
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Keywords | 炭素同位体 / 質量分析 / 真空システム / 段階加熱 / 二酸化炭素 / 窒素 / 希ガス |
Research Abstract |
本研究は、極微量(100ナノグラム以下)の炭素安定同位体比を測定するための高感度質量分析システムを開発することを目的としている。そのため、本年度は、岩石試料からのガスの抽出・精製のための真空システムを新たに設計、製作し、完成させた。このシステムでは、二酸化炭素以外に窒素や希ガスも同時分析できるように設計をおこなった。岩石試料からのガス抽出法としては酸素雰囲気下での段階加熱法を用いるが、同じ方式で窒素や希ガスも同時に抽出できるからである。ただし、それぞれのガスを互いにうまく分離精製して測定する必要があるため、真空システムにはさまざまな工夫をおこなった。まず、真空ラインを3つの部分(ガス抽出部、ガス精製部1、2)に分け、それぞれを独立に真空ポンプで排気できるようにした。また、各部分でガスの分離・精製をおこなうため、ガラス製の液体窒素トラップを合計5個、ニュプロ社製フィルターエレメントを用いた液体窒素トラップを2個取り付けた。すべてのトラップの上部には真空バルブを取り付け、分離したガスが互いに混じらないように工夫した。二酸化炭素の精製を確実にするため、酸素発生用の酸化銅の炉を増設し、ひとつをガス抽出部のガラス製液体窒素トラップの横に取り付けた。これにより、トラップにとらえられた二酸化炭素を精製することができる。現在、真空システムの基礎的なチェックをおこなっている段階である。今後、実際の岩石試料を用いての二酸化炭素、窒素、および希ガスの同時分析、および分析用プログラムの開発をおこなっていく予定である。
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