1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04554032
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田賀井 篤平 東京大学, 理学部, 助教授 (40011738)
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Keywords | 高温装置 / 赤外線加熱 / 全反射による赤外線導出 / 全反射による赤外線集光 |
Research Abstract |
高温下でのX線回折実験によって鉱物の構造変化や相転移等の研究を行なうことは、惑星における物質進化の研究にとって重要性を増しつつある。しかしながら、1000度から1500度の温度範囲を安定して長時間保持し、かつ少ないコンタミネーションと雰囲気制御を可能ならしめる加熱装置は実現されなかった。1000度から1400度の温度範囲は、惑星・地球の主要構成鉱物である多くの珪酸塩鉱物が晶出、相転移を起こす温度範囲である。惑星の進化過程が、これらの珪酸塩鉱物の様々な微細組織に記録されて残っていることを考えると、この温度範囲をX線回折に供することは惑星における物質進化を研究するうえで非常に有用である。本研究の目的は1400度までの温度範囲を可能にした赤外線炉を開発し、さらに赤外線を導入管を用いて集光し少ないコンタミネーションと雰囲気制御を実現しつつ微小な領域を加熱するシステムを試作することである。 本年度は、本研究の主要部分である回転楕円体のゴールドミラーの設計製作を行った。基本的な設計思想は回転楕円体の一方の焦点に赤外線ランプを置き、他の焦点部分に赤外線導入管を設置する。また導入管先端部分にテーパー部を設け集光された赤外線を全反射で微小領域に集光する。本年度は導入部に赤外線透過度の高い石英ガラスを用い、集光部に屈折率の高いサファイアを使用した。その結果、集光部なしで2cmφの領域においで850℃、また集光部を用いて1cmφ領域を950℃に加熱することに成功した。またデータ処理用のコンピュータを購入してデータ処理プログラムを開発しつつある。今後は点焦点の赤外線ランプの開発と集光能率を向上させた導入管の材質・形状の設計を目標にする。
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[Publications] T.Tagai: "Crystallographic investigations of calcic plagioclase from the Bad Vermilion Lake Anorthosite Complex." Ontario.Europ.Journ,Min.4. 299-305 (1992)
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[Publications] T.Tagai: "Development of the high resolution X-ray diffraction camera and its application to an exsolution of a plagioclase." Min.J.(1992)
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[Publications] K.Saiki: "Crystallization frends of pyroxenes from diogenites to cumutate eucrites in HED breccias as deduced from elemental distribution images." Meteoritics. 27. 284-285 (1992)
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[Publications] T.Tagai: "Superstructure of tetrataenite from the Sait Severin meteorite." Meteoritics. 27. 295- (1992)