1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04555004
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
八坂 保能 京都大学, 工学部, 助教授 (30109037)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
板谷 良平 新居浜工業高等専門学校, 校長 (90025833)
久保 寔 京都大学, 工学部, 助手 (80089127)
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Keywords | プラズマプロセス / ECRプラズマ / 大口径 / マイクロ波 / マルチカスプ磁場 |
Research Abstract |
大口径ウェハを高速に処理可能なプラズマプロセス用リアクターの実現を目指して、マルチアニュラー(MA)アンテナを採用した電子サイクロトロン共鳴(ECR)プラズマリアクターを試作した。MAアンテナは、多重の円環状スリットから、同軸管で給電されるマイクロ波を放射し、スリット出口付近に設置した永久磁石列により作られたリングカスプ磁場のECR層でプラズマを生成する。この磁場構造は、プラズマを円周方向にドリフトさせるのでプラズマの均一性が向上する。また、各スリット内ではプラズマの生成が抑止されているため、マイクロ波はスリット出口から先のプラズマ中を強磁場側から弱磁場側へと伝搬し、R波の励起によって高密度プラズマが生成される。試作リアクターにより、ガス圧力5×10^<-4>Torrにおいて、直径30cm、密度2×10^<11>cm^<-3>のプラズマが生成された。MAアンテナのスリット数を変化させて密度、電子温度の均一性を調べた結果、最外周の1列を用いた場合が最良であり、密度8×10^<10>cm^<-3>のプラズマの均一度は、直径30cmで±10%であった。拡散方程式の数値計算により、MAアンテナのスリット数と密度の均一性との関係を吟味した結果、スリットがむしろ管壁近くにある方が均一性を得られやすいことが示され、実験結果と良く対応した。さらに、数値計算結果にもとずき、管壁近傍に2つの円環状スリットを持ち、それぞれからの放射マイクロ波電力を独立に変化可能なA(adjustable)MAアンテナを試作した。これは、2つのマイクロ波源から、2重同軸管によって2つの円環状スリットに独立に給電されるものである。このAMAアンテナを用い、2つのマイクロ波源の電力を加減することにより、密度のさらなる上昇、および均一性の向上が可能となった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 八坂保能: "パルスプラズマプロセスによる成膜" 日本真空協会関西支部研究例会資料. 5-1. 5-12 (1993)
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[Publications] 八坂保能: "高密度プラズマのモデリング" 応用物理学会プラズマエレクトロニクス講習会テキスト. 51-77 (1993)
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[Publications] Y.Ushigusa: "Large Diameter ECR Plasma Produced by Using Multi-Annular Antenna" Proc.2nd Int'l Conf.on Reactive Plasmas. 537-540 (1994)
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[Publications] Y.Hara: "Two-Dimensional Simulation of ECR Plasma with Finite Electron Temperature" Proc.2nd Int'l Conf.on Reactive Plasmas. 725-728 (1994)