1994 Fiscal Year Annual Research Report
コヒーレント放射光を用いた遠赤外時間分解分光による過渡的低周波振動モードの検出。
Project/Area Number |
04555009
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
近藤 泰洋 東北大学, 工学部, 助教授 (20013534)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 吉朗 東北大学, 工学部, 助手 (80133932)
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Keywords | 時間分解分光 / 遠赤外 / 過渡吸収 / コヒーレント放射光 / 軌道放射 / 配列検出器 / マルチチャンネル検出器 |
Research Abstract |
前年度までに製作した十チャンネル遠赤外配列検出器を用い、パルス電子線から放射されるコヒーレント放射光をプローブ光とする遠赤外時間分解分光システムを構成した。 1.この系を用いてイオン結晶中の緩和励起子による低周波モードの検出を試みた。結晶中に励起状態を作り出す励起源としてはパルス電子線を用い、同時にこの電子線によって作り出されるコヒーレント遷移放射をプローブ光とした。電子線照射による損傷の影響を少なくするため、クライオスタット五から六個の試料を取り付け、ヘリウム温度に冷却して測定した。150MeV,ピーク電流100mA、パルス巾5ナノ秒の電子線を液体ヘリウム温度でNaCl単結晶に照射、約10ナノ秒後の過渡吸収を測定した。その結果、残念ながら、検出できるほどの過渡吸収は得られなかった。今後は、よりノイズを減らし、検出感度の向上に努力する。 2.フェムトからピコ秒のレーザーパルスを半導体に照射すると、コヒーレント放射光と同様な、連続スペクトルを持った遠赤外パルス光が得られることが最近明らかにされた。製作した多チャンネル配列検出器を用いて、レーザー励起によるこの遠赤外パルス光のスペクトル測定を試みた。スペクトルを感度良く測定することはできなかったが、フーリエ分光器との併用により、スペクトル、放射の空間方向依存性、励起強度依存性を初めて測定できた。今後は、単発のレーザーパルスによる検出及びレーザー励起による過渡状態の遠赤外時間分解分光を試みる予定。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 近藤泰洋: "コヒーレント放射光による遠赤外パルスラジオリシス" 核理研研究報告. 25. 131-135 (1992)
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[Publications] 近藤泰洋: "多チャンネル遠赤外配列検出器によるコヒーレント放射光の検出" 核理研研究報告. 26. 323-329 (1993)
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[Publications] 近藤泰洋: "多チャンネル配列検出器による遠赤外パルスラジオリシス" 核理研研究報告. 27. 15-21 (1994)