1992 Fiscal Year Annual Research Report
信頼性工学的手法に基づくセラミックス部材の強度確認試験方法の開発
Project/Area Number |
04555028
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
市川 昌弘 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (80017334)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡部 永年 株式会社東芝, 重電技術研究所, 主幹
高松 徹 電気通信大学, 電気通信学部, 講師 (00106890)
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Keywords | セラミックス / セラミックス軸受 / 窒化珪素 / 強度確認試験 / 信頼性工学 |
Research Abstract |
本研究は信頼性工学的手法に基づいたセラミックス部材の強度確認試験方法の開発を目的としたもので,本年度は3年継続の1年目である.計画に従い,具体的対象としてまずセラミックス軸受球を取り上げた.本年度の主な研究成果は次の通りである. 1.直径3/8インチの熱間等方加圧焼結(HIP)窒化硅素軸受球を供試体として,JIS B1501に準拠した負荷方法により,リングクラック発生荷重と圧砕荷重を実験により求めた。リングクラック発生荷重は多数の球について各球ごとに表面の8箇所で測定した.これより,1個の球につき1箇所だけ測定した場合のリングクラック発生荷重の球間のばらつきは,球の強度の個体差によるものではなく,主として表面の場所による強度差によるものであることがわかった. 2.圧砕荷重の本質を明らかにするために,圧砕試験において球表面下の圧縮荷重軸を含む面内に円板状のき裂が発生し,これが成長するときのき裂の応力拡大係数をFEMにより解析した.これより、一定荷重に対する応力拡大係数はき裂の成長に伴って初めのうちは減少し、途中から増加に転じることがわかった。 3.セラミックス軸受球の転がり疲労寿命と静的圧縮強度(リングクラック発生強度,圧砕強度)の関係をしらべるために、窒化珪素軸受球の転がり疲労試験を行い,寿命分布,寿命-荷重関係,剥離形態等をしらべた。 4.2母数ワイブル分布の場合の平均信頼度を,尺度母数のみが未知の場合について解析的に,また形状母数も尺度母数も未知の場合については数値的に求めた. 5.以上の結果に基づいて強度確認試験方法の検討を行った.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 裴 星仁: "信頼性設計における信頼度と信頼水準の統合の試み(強度が2母数ワイブル分布に従う場合)" 日本機械学会論文集(A編). 59. 478-482 (1993)
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[Publications] 市川 昌弘: "セラミックス軸受用窒化硅素球のリングクラック発生強度の空間分布" 日本機械学会講演論文集(平成4年度材料力学部門講演会講演論文集). No.920-72. 688-689 (1992)