1993 Fiscal Year Annual Research Report
アーク放電プラズマによる大面積ダイヤモンド合成装置の試作
Project/Area Number |
04555033
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
平田 敦 東京工業大学, 工学部, 助手 (50242277)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 昌範 東京工業大学, 工学部, 教授 (30016422)
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Keywords | アーク放電 / プラズマ / ダイヤモンド膜 / 気相合成 / 合成面積 / 合成速度 |
Research Abstract |
ダイヤモンド膜の合成面積拡大を目的に,試作したアーク放電プラズマ装置によりプラズマ領域を拡大してダイヤモンド膜の合成面積拡大を試み,ダイヤモンド膜の合成速度,形状,結晶学的性質について評価した.また,合成したダイヤモンド薄板をYAGレーザ及び熱化学反応を利用した研磨法により加工して切削バイトで作製し,ダイヤモンド薄板の機械的性質を評価した. 陰極と陽極の距離を広げることで,生成されるプラズマの領域が拡大し,プラズマジェット径の拡大とともにダイヤモンド膜の合成面積は,雰囲気圧力200Torr,水素ガスに対するメタンガスの流量比4%で,直径約20mmから40mmの範囲まで拡大することがわかった.また,合成面積の拡大にはプラズマジェット径方向の放電距離を広げることがより有効であることを明らかにした.このとき,ダイヤモンドの合成速度および膜厚は放電距離の増加とともに増加することがわかった.これは,放電距離の増加とともにプラズマ中で生成される活性種の量が増加するためであり,このことをプラズマの発光分光分析より明らかにした.しかし,プラズマトーチの配置に関わらず,得られるダイヤモンド膜の形状は中央部で厚く,周辺部で薄いものであった. そして,ラマン分光分析および結晶の配向の観察からも,放電距離の増加とともに良質のダイヤモンドが合成される面積が拡大することを明らかにした. 得られたダイヤモンド薄板を加工して切削バイトを作製し,アルミ合金の超精密切削加工を行った結果,摩耗量およびその形態は天然ダイヤモンドバイトとほぼ同様であり,本合成装置で得られるダイヤモンド薄板は十分な機械的強度を有することを明らかにした.
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[Publications] 平田敦,吉川昌範: "1陰極-3陽極アーク放電プラズマによる大面積ダイヤモンド膜合成装置の試作" 精密工学会誌. 59. 838-843 (1993)
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[Publications] 平田敦,吉川昌範: "生成ダイヤモンド膜に及ぼすアーク放電プラズマジェットCVD装置の電極位置の影響" 精密工学会誌. (印刷中).
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[Publications] A.HIRATA and M.YOSHIKAWA: "Enlargement of The Diamond Deposition Area by one-cathode three-anode Arc Discharge Plasma Jet Chemical Vapor Deposition" Diamond and Related Materials. 2. 1402-1408 (1993)
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[Publications] A.HIRATA and M.YOSHIKAWA: "Effects of Process Pressure on Diamond Growth by Arc Discharge Plasma Jet CVD Method" 2nd Int.Conf.on the Applications of Diamond films and Related Materials. 469-474 (1993)
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[Publications] T.TATAMI,T.YASUHARA and M.YOSHIKAWA: "Application of CVD Diamond Chips for Ultraprecision Cutting Tools" 2nd Int.Conf.on the Applications of Diamond films and Related Materials. 555-558 (1993)