生産加工における高性能クリーン潤滑システムの開発研究

1994 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 04555034
• Research Institution: SHIZUOKA UNIVERSITY
• Principal Investigator: 中村 保 静岡大学, 工学部, 教授 (70023322)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 石橋 格 住鉱潤滑剤(株), 三重研究所, 室長 ; 今泉 晴樹 静岡大学, 工学部, 教務員 ; 平岩 正至 静岡大学, 工学部, 助教授 (70022027) ; 田中 繁一 静岡大学, 工学部, 助教授 (60197423)
• Keywords: 生産加工 / 塑性加工 / 温・熱間鍛造 / クリーン潤滑システム / 非黒鉛系白色潤滑剤 / 超高分子量ポリエチレン / 前・後方押出し形摩擦試験 / 焼付き

Research Abstract

1.新たに前後方押出し形摩擦試験法を提案した。この摩擦試験法は、鍛造加工における過酷な摩擦条件をシミュレート可能で、加工力や素材変形抵抗を測定することなく、摩擦係数や摩擦せん断係数等を見積もることができる汎用性の高い摩擦試験法である。
2.素材の高周波誘導加熱装置、潤滑剤のスプレー装置を組み込んだ鍛造プレスに、前後方押出し形摩擦試験用ダイスとパンチをセットし、前後方押出し形摩擦試験機を試作した。
3.試作した前後方押出し形摩擦試験機を用いて、アルミニウム合金素材の熱間鍛造における2、3の固体潤滑剤の潤滑性能評価を試みた。その結果、ダイス半角10°,後方押出し断面減少率25、50および70%で、素材試験片長さ20mm以上の条件で、摩擦係数、または摩擦せん断係数、および耐焼付き性能を的確に評価できることが確認された。
4.前後方押出し形摩擦試験機を用いて、ステンレス鋼素材の熱間鍛造における超高分子量ポリエチレン系と黒鉛系の水溶性固体潤滑剤の潤滑性能を比較検討した。両潤滑剤ともに、摩擦係数または摩擦せん断係数はほとんど変わらないが、パンチ側の耐焼付き性能は黒鉛系潤滑剤の方がやや優れていることが確認された。
5.前後方押出し形摩擦試験機を用いて、Si含有アルミニウム合金素材の熱間鍛造における黒鉛系潤滑剤の性能評価を行った結果、Si含有量により摩擦係数に差異が生じることが確認された。
6.超高分子量ポリエチレン系の水溶性潤滑剤を試作し、耐熱鋼素材の熱間鍛造の実加工現場において、潤滑性能評価をおこなった。その結果、黒鉛系潤滑剤とほぼ同等の潤滑性能が得られることが確認された。

Research Products

• [Publications] 中村 保: "後方押出しによる固体潤滑剤の性能評価" 第4回日中精密鍛造シンポジウム論文集. 103-106 (1992)
• [Publications] 中村 保: "高温塑性加工用超高分子量ポリエチレン系潤滑剤の開発研究" 平成5年度塑性加工春季講演会講演論文集. 1. 111-114 (1993)
• [Publications] T.NAKAMURA: "Effects of Solid Lubricants in Backward Extrusion" Proceedings of 6th Int,Cong.on Tribology. 1. 126-131 (1993)
• [Publications] 中村 保: "塑性加工における焼付き防止対策" 塑性と加工. 34. 1082-1090 (1993)
• [Publications] 中村 保: "前後方押出し形摩擦試験法の提案" 平成6年度塑性加工春季講演会講演論文集. 2. 643-646 (1994)
• [Publications] 中村 保: "前後方押出し形摩擦試験による温・熱間鍛造用潤滑剤の性能評価" 平成7年度塑性加工春季講演会講演論文集. (1995)
• [Publications] T.NAKAMURA: "Transactions of NAMRI/SME" Forward-Backward Extrusion Type Friction Testing Method, (1995)
• [Publications] T.NAKAMURA: "Proc.of Int.Tribology Conference" Lubricities of Graphite Lubricants in Hot Forging of Aluminium-Silicom Alloys, (1995)