1992 Fiscal Year Annual Research Report
パルスアークプラズマ放電によるY系酸化物高温超伝導薄膜作製に関する研究
Project/Area Number |
04555062
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Research Institution | Sasebo National College of Technology |
Principal Investigator |
須田 義昭 佐世保工業高等専門学校, 助教授 (20124141)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中宮 俊幸 九州東海大学, 講師 (90155812)
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Keywords | 超伝導薄膜作製 / Y系酸化物高温超伝導 / パルスアークプラズマ / EPMA / 分光分析 / 発光種 / 励起温度 / 低温プロセス |
Research Abstract |
酸化物高温超伝導体のデバイス化のための最も重要な基礎技術は薄膜形成であり,スパッタリング法等の方法が提案され試みられている.しかし,装置が高価な上に複雑であり,堆積速度が遅いなど問題点も多くアニール処理なしで超伝導特性を得るには基板を600〜800℃に加熱する必要があり,超伝導薄膜をLSIの配線として実用化していく上で大きな障害となっている. 本研究では,高周波放電,マイクロ波放電等の定常放電に比べより高温,高密度,高エネルギーのプラズマが得られ,薄膜堆積と同時にサンプルの表面層を加熱でき,高速堆積化,in-situ結晶化や低温プロセスの可能性を有しているパルスアークプラズマ放電を用いてY系高温超伝導薄膜作製を行ない,次の結果を得た. (1)半球状超伝導バルクを放電電極として通り付け放電特性,光エネルギー密度の測定およびY系高温超伝導薄膜の作製を行った. (2)放電電圧や圧力が高すぎると実験中にバルクが電極ホルダーから外れることがあり,バルクと電極ホルダーの接続は導電性接着剤のみでは不十分で改善する必要があることが分かった. (3)放電電圧8KV,圧力8Torr(Ar:O_2=4:1)でほぼ化学両論的組成比の薄膜Y:Ba:Cu=1:(1.94〜2.16):(2.76〜3.56)が得られた. (4)放電電圧5KV,圧力5Torr(Ar:O_2=4:1)では,Y:Ba:Cu=1:3.24:3.54とBaが多い割合で堆積しており,圧力の影響が大きいと思われる. (5)EPMAによる作製薄膜の面分析により,各元素の分布状態の確認に成功した. (6)今年度設置したパルス分光システムを用いて,基礎実験としてスパッタリング法において分光分析を行い,発光種や励起温度の同定に成功し,各種文献のデータと比較した.
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Research Products
(1 results)