1994 Fiscal Year Annual Research Report
臨床応用を目的にした音声障害の音響的検査装置の開発
Project/Area Number |
04555073
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Research Institution | UTSUNOMIYA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
粕谷 英樹 宇都宮大学, 工学部, 教授 (20006240)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大橋 正尚 オンテックR&D(株), 主幹
菊地 義信 筑波短期大学, 情報処理科, 助教授 (20091944)
日比 正史 久留米大学, 医学部, 講師 (40173190)
森 一功 久留米大学, 医学部, 講師 (30230064)
平野 実 久留米大学, 医学部, 教授 (60080868)
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Keywords | 音声障害 / 病的音声 / ゆらぎ / ジッタ / シマ / 咽頭雑音 / 音響的評価 |
Research Abstract |
「音声障害の音響的検査装置(以下検査装置と略称)」を試作し、その使用説明書を作成した。検査装置のハードウエア構成は2種類ある。一つは、特別に試作した音声入出力及び音声信号処理を高速・高精度で実行するための音声入出力処理装置とパーソナルコンピュータ(PC)で構成される検査装置で、他の一つは市販のサウンドボードとパーソナルコンピュータからなる検査装置である。両者はほぼ同じ機能を有するが、ピッチ周波数と音圧を同時に実時間で計測表示するphonetogram機能は、前者だけで可能である。PCで利用者と対話する部分は、Windows上に開発されているので、利用者にとって使いやすいだけでなく、いろいろなPC機種で動作することができるという利点を有する。 検査装置の機能は、臨床で定型的な検査業務に利用するモードと、音声障害を研究用に多面的に利用するモードとからなる。定型的な検査業務では、患者が持続発声した母音から音声障害を客観的(音響的)に評価するために必要な評価パラメータを自動的に計測し、主な評価用音響パラメータを正常/病的の目安となる閾値と一緒にradar chartとして表示する。そのほかのパラメータも含めて、音響的評価に利用する音響パラメータは、同時にreport fileとして保存され、必要に応じて印字する。 研究用のモードでは、持続母音だけでなく連続音性も処理できる。音声分析機能としては、ピッチ、フォルマント、FFT/LPCスペクトル、サウンドスペクトログラム、などを備えているだけでなく、音声合成の手法で音声障害を評価することもできる。 これらの検査装置は臨床的に、精度や使い易さを評価し、十分実用に耐えられることが分かっている。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Weizhong Zhu: "An Integrated Acoustic Evaluation System of Pathologic Voice" Proc.Int.Conf.on Spoken Language Processing. 4. 1983-1986 (1994)
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[Publications] Yasuo Endo: "Synthesis of Pathological Voice Based on a Stochastic Voice Source Model" Proc.Int.Conf.on Spoken Language Processing. 4. 1991-1994 (1994)
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[Publications] 遠藤 康男: "病的音声のゆらぎのARMAモデルパラメータと聴覚的印象との関係" 日本音響学会講演論文集(平7年春). 1. 343-344 (1995)
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[Publications] 朱 偉中: "Windows上の統合型音声処理システム" 日本音響学会講演論文集(平7年春). 1. 355-356 (1995)
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[Publications] 朱 偉中: "Windows上の統合型音声分析・合成・評価システム" 電子情報通信学会技術報告(音声). SP94-106. 65-72 (1995)
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[Publications] Hideki Kasuya: "Vocal Fold Physiology" edited by O.Fujimura and M.Hirano,Singular Publishing Group, 357 (1994)