1993 Fiscal Year Annual Research Report
極めて広い視野角を有する新しい二層式電界制御型屈折性液晶表示素子の開発
Project/Area Number |
04555088
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Research Institution | Hachinohe Institute of Technology |
Principal Investigator |
関 秀廣 八戸工業大学, 工学部, 助教授 (30134018)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増田 陽一郎 八戸工業大学, 工学部, 教授 (00048175)
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Keywords | 液晶 / 電子表示素子 / 視野角 / 二層構造 / 複屈折 / 光学位相補償 / 誘電率異方性 / リタデーション |
Research Abstract |
液晶は次世代の大画面、高精細フラット・パネル・ディスプレイとして最も可能性を秘めているキーデバイスである。液晶が他の表示素子の追随を許さないのは、液晶分子自身が誘電率と屈折率の異方性を持っていながら流動性を示すという特異な性質があるためで、これが液晶の表示性能に低電圧・低電力という優れた特長を与えている。しかしながら、最近、表示パネルの観察方向によっては表示が消えてしまうという、視野角の狭さが液晶の欠点として指摘されており、この原因は液晶の特徴の一つである屈折率の異方性である。本研究では、これらの課題を克服するため、申請者らが新たに開発した技術と概念を利用して、極めて広い視野角を有する新しい二層式電界制御型複屈折性液晶表示素子(D-ECBセル)を設計試作し、実用の可能性について明らかにすることを目的とした。 まず、実際に試作するD-ECBセルの設計製作に関する総合的検討を加えた。昨年度行われた1.D-ECBセルにおける電気光学的特性の理論設計、2.電気光学的特性の評価、3.フィルムによる光学的補償効果の研究成果のもとに実際の試作を目的とした設計を行った。特に光学位相補償フィルムの設計にはリタデーションの相補効果を用いた。その結果、電圧の印加状態に関わらず広い視野角を得られることが明らかになった。 さらに、上記の設計により得られた結果を基に、D-ECB型液晶表示パネルの試作を行った。その結果、明らかに補償が行われ、所望の素子の特性を得ることが明らかになった。
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[Publications] Y.Itoh: "A Double-Layer Electrically Controlled Birefringence Liquid-Crystal Display with a Wide-Viewing-Angle Cone" Japanese Journal of Applied Physics. 30. L1296-L1299 (1991)
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[Publications] 関秀廣: "広い視野角を有する新しい二層型電界制御型複屈折性液晶表示素子" 八戸工業大学紀要. 11. 3-9 (1992)
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[Publications] 関秀廣: "広い視野角を有する光学補償二層式電界制御型複屈折性液晶表示素子" 八戸工業大学紀要. 12. 85-90 (1993)
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[Publications] H.Seki: "Optically Compensated D-ECB LCD with Wide-Viewing-Angle Cone" Liquid Crystals. 14. 279-286 (1993)
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[Publications] H.Seki: "A Double-Layer Electrically Controlled Birefringence Liquid-Crystal Display with a Wide Viewing Angle Cone" Journal of the Society for Information Display. 1. 171-176 (1993)
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[Publications] 関秀廣: "二層式電界制御型複屈折性液晶表示素子の電気光学的特性" 八戸工業大学紀要. 13. 29-34 (1994)
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[Publications] Birendra Bahadur: "World Scientific" Liquid Crystals-Applications and uses(Volume 3). 325 (1992)
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[Publications] 佐々木昭夫: "株式会社工業調査会" 液晶ディスプレイのすべて-大画面・高精細をめざして. 274 (1993)