1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04555093
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
森泉 豊榮 東京工業大学, 工学部, 教授 (80016534)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
園田 恭久 日産自動車(株), 車体実験部, 技師(研究職)
井手 純一 長谷川香料(株), 川崎研究所, 主任研究員
中本 高道 東京工業大学, 工学部, 助教授 (20198261)
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Keywords | 能動センシング / パターンマッチング / センサアレイ / 水晶振動子ガスセンサ / 半導体ガスセンサ / 非線形最適化アルゴリズム / シンプレックス法 / 最急降下法 |
Research Abstract |
においの識別に関しては単一のセンサで十分な選択性を得ることが困難なので、特性の異なる複数センサの出力パターンをパターン認識することが有効である。本研究ではこの方法を発展させ、複数の混合されたにおいの濃度を定量する能動型においセンサを開発した。 本手法では、システムが自律的に複数の既知臭を混合し、新しいにおいを作り出して複数センサ出力パターンを測定し、被検臭に対するパターンと一致する混合比を求め、その混合比から各成分濃度を求める。前年度までに測定装置の開発、センサ部の性能向上を行い、混合臭の濃度定量が可能なことがわかった。本年度は、濃度定量の際用いるアルゴリズムの改良、センサ特性の応答予測法の提案等を行なった。 合成臭の濃度変更を逐次行う際、各成分の濃度変更量を非線形最適化アルゴリズムにより決定する。ここではアルゴリズムとして最急降下法を使用した。その際、収束安定性に問題があったが特異値分解法及び最小二乗法を導入することにより収束安定性が向上し、従来収束しなかった初期値からも解が得られるようになった。 また、センサとしては水晶振動子及び半導体ガスセンサを用いているが、水晶振動子ガスセンサの応答予測法について検討した。このセンサの応答は塗布する感応膜に依存するため、従来は実験的に対象臭に合わせて感応膜を選択していたが、センサ応答を予測しその予測値により膜選択を行うと簡単に感応膜を選択することができる。本研究では分子量、沸点、屈折率等の物性パラメータから回帰分析によりセンサ応答を予測できることを確かめた。さらに、対象臭の範囲を広げて香料の基本成分となるいくつかの物質についても検討を行なった。
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[Publications] T.Nakamoto,S.Utsumi,N.Yamashita,T.Moriizumi and Y.Sonoda: "Active Gas Sensing System Using Automatically Controlled Gas Blender and Numerical Optimization Technique." Sensors and Actuators B. 20. 131-137 (1994)
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[Publications] 中本: "能動型ガス・においセンシングシステム" 電気学会全国大会講演論文集. 13. S17-17-S17-20 (1994)
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[Publications] J.Ide,M.Ito,T.nakamoto and T.Moriizumi: "Discrimination of aromatic optical isomers using quartz-resonator sensors" Tech.Dig.Sensor Symp.113-116 (1994)
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[Publications] 中本,森泉: "におい計測技術の基礎と応用" インタフェース. 21. 149-165 (1995)
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[Publications] 井手,中本,森泉: "水晶振動子ガスセンサを用いた匂いセンサの開発" 音響学会. 51. 66-70 (1995)
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[Publications] 中本,松下,岡崎,森泉: "能動型においセンシングシステムの動作アルゴリズム改良" センサシンポジウム発表予定. (1995)
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[Publications] T.Moriizumi,T.Nakamoto and Y.Sakuraba: "Odor-sensing system using OCM gas sensors and an artificial neural network,Olfaction and Taste X1" Springer-Verlag, 694-698 (1994)