1993 Fiscal Year Annual Research Report
二軸変動複合応力下の疲労き裂伝播形態解析コードの開発
Project/Area Number |
04555098
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
角 洋一 横浜国立大学, 工学部, 教授 (80107367)
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Keywords | 破壊力学 / き裂伝播形態 / シミュレーション / 疲労き裂 |
Research Abstract |
今年度は主に以下の2項目について研究を実施した。 1.2軸応力場における疲労亀裂進展シミュレーション 疲労き裂は板材表面の溶接部など局部応力集中箇所から板表面に垂直な方向に向かって伝播を開始するが、船体縦横部材交差部は一般に2軸複合応力状態にあるので、一旦伝播を開始したき裂がその伝播期間中常に初期き裂の方向に沿って伝播するとは限らない。局部の応力集中によって発生したき裂も一旦伝播を開始すると、その伝播経路は、各時点でき裂サイズのオーダの広がりを持つ領域内の応力分布に支配されることになる。本研究では、現在開発中の疲労き裂進展シミュレーション・コードを用い、応力集中のある部材交差部から発生した疲労き裂について、2軸繰返し応力範囲比をパラメトリックに変化させたき裂伝播数値シミュレーションを行い、その伝播形態を解明した。特に、初期き裂の方向とは巨視的伝播方向が全く異るき裂伝播形態が生ずる分岐現象の焦点を当て、このような一種のモード分岐は、2軸応力範囲比と部材交叉部の局部形状に支配されること、伝播経路の変化とともにき裂進展速度の急激な加速を引き起こす場合もあることを明らかにし、実験的にも同様な現象を確認した。 2.本解析コードのフランジを有する構造への適用に関する研究 本解析コードは2次元領域の縁き裂を対象として開発されていたが、本年度の研究においてはこれを板の周辺にフランジ材を有する場合に拡張することを試みた。ここで、フランジ材についてはその面内剛性のみを評価することとした。このプログラムを利用し、き裂がはり部材のウエブを切断するモードで進展し、外板等のプレート・フランジに接近するときの挙動の予測を行った。計算例としては3点曲げを受けるフランジ付ビームのビームウェブ内のき裂進展の数値シミュレーションを行い疲労き裂進展に対するフランジの影響を検討した。
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Research Products
(1 results)