1992 Fiscal Year Annual Research Report
道路橋の交通振動に対するハイブリッドマスダンパ装置の実用化
Project/Area Number |
04555110
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
川谷 充郎 大阪大学, 工学部, 助教授 (00029357)
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Keywords | 振動制御 / 道路橋 / 交通振動 / ハイブリッド方式 / 模型実験 |
Research Abstract |
1.ハイブリッドマスダンパ方式制振装置模型の改良付加質量を構造物の変位応答に追随させる位置制御サーボ機構では,本質的に高周波数領域ほど制御ループゲインが増加するために,高次の共振モードで自励発振するスピルオーバー現象を起こす傾向がある。そこで,加速度計からの出力にローパスフィルターを入れて高い周波数でのゲインを下げ,それにより生ずる位相のずれは,変位成分を用いて補正する。ローパスフィルターの時定数を調整し,車両の段差走行に伴う衝撃力による高周波応答に際しても,スピルオーバーを起こさないことを確認できた。 ここで対象とする道路橋の走行車両による動的応答は,周波数と振幅がかなり広い範囲で変化するものである。そのような現象に対応する制振装置は,高いロバスト性を要求される。本制振装置では3kgの制振質量を100WのACサーボモータにより駆動させ,主桁応答の周波数と振幅の変化に対して十分に対応できることが分かった。 2.桁橋模型の制振実験長さ5.5mのH型断面桁を両端単純支持し,ばね支持した車両モデルの走行による動的応答制御実験を行い,前述のような制振装置のスピルオーバー防止およびロバスト性の確認ができた。 車両の固有振動数を変化させた実験において,それを桁の固有振動数に同調させると,制振装置を作動させない場合にも桁の振動が比較的早く減衰し,車両が動吸振器として作用していることが伺えた。 近年,都市内高架橋周辺では車両走行に伴う環境振動が問題となっている。この軽減のためには,上部工からの支点反力変動を制御する必要がある。本制振装置による支点反力変動軽減にも着目した模型実験を行う予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Kawatani,M.,Nishiyama,S.and Mori,A.: "Hybrid Control System for Bridge Vibration under Moving Vehicles" Proc.1st International Conference on Motion and Vibration Control. 44-49 (1992)
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[Publications] Kawatani,M.,Nishiyama,S.and Mori,A.: "Model Tests of Hybrid Control System for Bridge Vibration under Moving Vehicles" Theoretical and Applied Mechanics University of Tokyo Press. 41. 21-27 (1992)