1992 Fiscal Year Annual Research Report
アースダムや道路の構築材料としての火山灰質土の力学的性質に関する実験的研究
Project/Area Number |
04555121
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Research Institution | Aichi Institute of Technology |
Principal Investigator |
大根 義男 愛知工業大学, 工学部, 教授 (00064931)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥村 哲夫 愛知工業大学, 工学部, 助教授 (70078913)
建部 英博 愛知工業大学, 工学部, 教授 (10064940)
成田 国朝 愛知工業大学, 工学部, 教授 (90064956)
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Keywords | 盛土 / フィルダム / 火山灰質粘性土 / 転圧 / シキソトロピー / 強度回復 / 応力伝幡 / 強度低下 |
Research Abstract |
本研究では、まず火山灰質粘性土盛土の転圧時の応力伝幡特性を明らかにするために、試作の自走式ローラを用いてまき出し厚さ20cm一定で、層数と転厚回数の組み合せを種々に変化させた転圧試験(最終盛土高1m)を実施した。盛土基礎部に埋設した土圧計の観測値を整理した結果、伝幡応力は転圧回数が2回と64回で40〜50%程度異なること、弾性解より得られる値と比較して約20%低めとなることなどが判明した。 次に、火山灰質土に繰返し応力が作用した場合の強度低下(軟化)特性を把握するために、転圧回数を2〜64回の間で6ケース変化させた盛土(高さ40cm)を作成し、コーン貫入試験および盛土から採取した不撹乱試料の一軸圧縮試験を実施した。盛土の強度(qcおよびqu値)は転圧回数が16回で最大値を示すが、これ以上の転圧では火山灰質土の構造骨格が破壊されるため強度は低下し、転圧回数64回の盛土の強度は、16回盛土と比較してqc値で約25%、qu値で約45%低下することが判明した。また繰返し三軸圧縮試験を行って繰返し応力と強度低下の関係を整理した結果、qu値、変形係数及び動弾性係数は強度低下(軟化)を表す指標になり得ること、盛土の強度低下は伝幡応力(応力比)とその履歴の組み合せである程度め推定可能であることなどが知られた。 さらに、シキソトロピーによる強度回復特性を把握するために保存盛土に対するコーン貫入試験および不撹乱試料の一軸圧縮試験を行って強度発現の経時変化(60日)を調べたが、qcおよびqu値はいずれも測定値のばらつきが大きく明確な結論を導くには至らなかった。今後は測定値の精度向上と同時に強度回復の指標となり得るパラメータの選定、強度回復に関する実験・実測データの集積が必要であると考えられる。
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