1992 Fiscal Year Annual Research Report
多孔質体内の流れの微視的構造を解明するための軟X線の利用技術の開発
Project/Area Number |
04555123
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
藤田 睦博 北海道大学, 工学部, 教授 (80001139)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中尾 隆志 北見工業大学, 工学部, 助手 (60101523)
清水 康行 北海道開発局, 開発土木研究所河川研究室, 室長
藤間 聡 室蘭工業大学, 建設システム工学科, 助教授 (00002915)
|
Keywords | 不飽和浸透流 / 空隙分布 / 多孔質体 / リング水 / サクション / 含水率 |
Research Abstract |
不飽和浸透流の基礎式は提案されているものの、この式を解くためには体積含水率〜吸引圧および不飽和透水係数〜体積含水率の関係式が必要である。これらの関係式は、現段階では実験的に求められている。本研究では、多孔質体内における体積含水率〜吸引圧の理論式の誘導を目的に、下記に示すような研究を実施した。 (1)現象を単純化するために、多孔質体が球形粒子より構成されているものとして、二つの粒子間に形成されるリング水の形状とその体積およびリング水内の吸引圧について理論解析を実施した。二つの粒子間の距離、粒径を独立変数とするリング水の形成に関わる条件を明らかにした。 (2)多孔質体の代表である土壌は、さまざまな粒形をもつ粒子の混合物である。したがって、(1)で得られた理論式を実際に適用するには粒径分布と空隙率が既知との条件下で、土粒子間に存在する空隙の確率特性を明らかにしなければならない。体積Vの容器に空隙率λで粒径分布f(R)の粒子を充填したとき、n個の粒子が充填される確率密度関数を求めて、隣接する粒径R_1、R_2の粒子間の距離δの確率密度関数を誘導した。 (3)距離δの確率密度関数を求めるにあたって、粒子間の距離δが粒径R_1、R_2に独立する仮定を設けたが、この仮定を実証するために二種類の実験を行った。一つは粒径5mm以上のガラスビーズ玉を容器に充填し、空隙率、粒径分布を測定した後、アスファルトを注入した。アスファルトが固化した後、ダイヤマンドカッターでこれを切断し、切断面の測定より、δの分布関数を求めた。他の実験は、粒形が2mm以下のガラスビーズ玉を用いたもので、軟x線装置を用いている。前者の実験では理論値に近い値が得られているが、後者の実験では必ずしも十分な結果が得られていない。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] 藤田 睦博: "球形土粒子の空隙分布の解析" 土木学会北湖道支部論文集. 49. 615-618 (1993)
-
[Publications] 中尾 隆志: "重力を考慮したリング水の保水効果" 土木学会北海道支部論文集. 49. 619-622 (1993)
-
[Publications] 中尾 隆志: "異球径モデルを用いた土壌内水分の保水効果に関する研究" 水文・水資源学会1992年研究発表会要旨集. 130-133 (1992)