1992 Fiscal Year Annual Research Report
衛星画像データに基づいた沖縄赤土流出モニタリングシステムの開発と汎用化
Project/Area Number |
04555124
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
灘岡 和夫 東京工業大学, 工学部, 助教授 (70164481)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仲座 栄三 琉球大学, 工学部, 助手 (90180265)
大見謝 辰男 沖縄公害衛生研究所, 研究員
田中 総太郎 リモートセンシング技術センター, 主任研究員
八木 宏 東京工業大学, 工学部, 助手 (80201820)
|
Keywords | リモートセンシング / 沿岸海洋汚染 / 赤土流出 / 水中消散係数 / 水深計測 / 植生分類 / 土地被覆 / 赤土被覆率 |
Research Abstract |
沖縄赤土流出問題の実態解明にあたっては、汚染の発生源ともいえる陸域を含めた陸・海総合型の解析・モニタリングを広範囲にわたって継続的に行っていくことが不可欠であり、衛星リモートセンシングはその手段として非常に高い潜在的利用価値を持っている。しかしながら、衛星リモートセンシングによる従来の研究の多くは、衛星データをある特定のシートウルースやグランドトウルースデータと経験的に結びつけて解析しようとするもので、多時点・多シーンの画像データを統一的・包括的に解析し得る段階には達していない。そこで本研究では、光学的原理に基づいた物理的意味付けが明確な解析手法体系を開発し、沖縄赤土流出問題に適用してその有用性・妥当性を確認することにより、一般性・汎用性の高いモニタリングシステムを構築することを試みた。以下に本年度の主要な研究成果を列挙する。 1)衛星画像データの汎用的な前処理方法として、大気散乱光量や地表面に到達する太陽光量といった、衛星データの時期やシーン毎に異なってくる影響を合理的に排除する方法を開発した。 2)この前処理結果に基づいて、潮位差の異なる二つの時期の衛星データから、光の水中消散係数を理論的に算定する手法を開発し、衛星同期観測によってその有効性を確認した。 3)1)、2)で得られた結果を利用し、水中透過性の良い二つの可視光波長域BANDのデータから、沖縄沿岸海域における水深分布及び海底の光の反射特性を把握する手法を開発した。 4)赤土流出の発生源である陸域の解析手法として、陸域データから大気散乱光及び斜面の影響を合理的に排除する手法を開発した上で、土地被覆状況を、土壌の植生による被覆率という物理量を用いて定量的に表現すべく、各種土壌・植生それぞれを合理的に分類する手法を開発した。 5)海底の赤土による被覆率を、陸域データを反映させることによって算定する手法を開発し、現地データと比較することによってその有効性を確認した。
|