1992 Fiscal Year Annual Research Report
ボアホールスロッティング支援の水圧破砕による最大主応力の直接測定に関する研究
Project/Area Number |
04555150
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
水田 義明 山口大学, 工学部, 教授 (20107733)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊地 慎二 日本国土開発株式会社, エンジニアリング本部, 課長
石田 毅 山口大学, 工学部, 講師 (10232307)
佐野 修 山口大学, 工学部, 助教授 (20127765)
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Keywords | 最大主応力検知 / 水圧破砕応力測定 / ボアホールスロッティング / アブレシブウォータージェット / 大型模型実験 / 数値シミュレーション / 亀裂伸展パターン |
Research Abstract |
水圧破砕法による応力測定においては,最大主応力は変形等方性を仮定した弾性論により間接的に算定するので,その信頼性が低いという弱点がある。そこで,最大主応力を直接測定することによりその信頼性を高める方法,すなわち,最大主応力方向に垂直な方向にアブレシブウォータージェットによりスロットを設け,スロットを含む区間で水圧破砕を行ってスロット延長上に人工亀裂を作り,その亀裂のシャットインプレッシャーがその亀裂に垂直な方向の岩盤応力成分であるとする方法を考案し,そのシステムを設計・製作した。またこのシステムを用いて大型模型実験を行い,本方法の適用性について検討した。一方,模型には端面が存在するので,亀裂の伸展がその影響を受ける可能性がある。すなわち,本来なら亀裂の伸展方向が最小主応力に垂直な方向に変化する場合でも,模型実験では試験片の端面の影響でそれが現われない可能性がある。そこで,亀裂を簡単に扱える境界要素法,すなわち,仮想応力法一変位くい違い法連成解析を行って,水圧破砕による亀裂伸展のシミュレーションを行った。上記の模型実験と数値実験とからつぎのことが明らかとなった。1)アブレシブウォータージェット式ボアホールスロッターによれば,岩種によって異なるが,例えば花崗岩に対してもボアホール直径程度の深さのスロットを切削することができる。2)そのようなスロットは,水圧破砕により発生する亀裂をスロット延長上に誘導する効果が大である。3)模型実験により作られたシャットインプレッシャーは与えた最大側圧より若干大きな値となった。4)スロット延長上に伸びた亀裂はやがて最小主応力と垂直な方向にその向きを変える。その変曲点とスロット端との距離は側圧比(最小/最大)が大きいほど長くなるが,それ以上に亀裂伸展に伴う水圧低下に依存し,水圧低下が小さいほど長い直線亀裂ができる。
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