1992 Fiscal Year Annual Research Report
高温表面をもつ金属材料の気一液2相流による冷却能制御と冷却設備設計規範の確立
Project/Area Number |
04555163
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
八田 夏夫 京都大学, 工学部, 教授 (30026041)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
反町 健一 川崎製鉄(株), 製鋼研究室長
藤本 仁 京都大学, 工学部, 助手 (40229050)
宅田 裕彦 京都大学, 工学部, 講師 (20135528)
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Keywords | 気一液の相流 / ライデンフロスト温度 / 冷却能制御 / ローディング比 / 水量密度 / 濡れ点 / ウェーバ数 |
Research Abstract |
連鋳工程における2次冷却帯で行われている鋳片の温度制御は、表面に現われる微細なクラックの発生防止のみならず、凝固後の鋼材の材質に対しても決定的に重要な問題である。 本研究の遂行に当って、最も基礎となる事項は気一液2相流(以後、ミスト流と呼ぶ)の流れ場を流体力学的に解明すること、およびミスト流が高温表面に衝突したときの抜熱量を伝熱学的に正確に把握することである。 多数の固体あるいは液体の微粒子を含む流れにおいては気体相および粒子相の物理量はある種の平均として定義されるものである。例えば、粒子速度は平均値vpとそれからの変動量△Vpとからなり、φp=Vp1<(△Vp)^2>1/2はこの混相流を特徴づける一つの重要なパラメータとなる。ミスト流は暗黙のうちにφp→∞の仮定がなされ、これは物理的には粒子-粒子間の直接衝突の効果と、粒子と周辺気体との流体力学的干渉による粒子速度の変動の効果の両方が無視できることを暗示している。この観点から、液滴群は一様サイズの球体とし、空気は圧縮性粘性流体とし、フルコーン型のノズルからの自由噴流の流れ場が数値解析された。これは実測結果と非常に良好に一致することが確認されている。 つぎに、自由噴流が流れと垂直な平板に衝突したとき、平板表面上での液滴群の凝集の問題が重要となる。平板表面の温度がライデンフロスト点以上では、個々の液滴は蒸気によって被覆され、平板上でバウンドして飛散する。現在、粒子径、粒子の衝突速度、水量密度分布、ローデイング比、ウェーバ数等の重要因子がライデンフロスト温度に及ぼす効果を実験的に調査している。測温はミスト流の反対面で行っており、逆解析によって濡れ点温度の決定を試みている。本研究は現在進行中であり、所期の目的は達成されるものと考えている。
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[Publications] 八田 夏夫: "Numerical Analysis of Gas-Particle Two-phase Subsonic Freejet" ASME J.Fluids Engg.114. 420-429 (1992)
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[Publications] 藤本 仁: "平板に衝突する二相ジェットの数値シミュレーション" CAMP-ISIJ. 5. 508- (1992)
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[Publications] 八田 夏夫: "Numerical Analysis of Flow Pattern of Impinging Liquid Sprays in a Cold Model for Cooling a Hot Flat Plate" Applied Socientific Research(Kluwer Academic Publishers.).