1992 Fiscal Year Annual Research Report
Ni_3Si基金属間化合物の化学装置・耐熱・耐摩耗材料への適用
Project/Area Number |
04555167
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高杉 隆幸 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (20108567)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 宗司 住友金属工業(株), 直江津研究所, 副主任研究員
吉田 光彦 宮城高等工業専門学校, 助教授 (40042254)
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Keywords | Ni_3Si / 金属間化合物 / クリープ特性 / 耐硫酸性 / Ni_3(Si,Ti) / 耐腐食性 |
Research Abstract |
Tiの合金化により強度・延性共に優れた特性を有するNi_3(Si,Ti)を基本成分とする金属間化合物をベースとして,第4・第5成分による合金化,組織,熱処理等の最適化により加工性,耐摩耗性,耐腐食,クリープ特性の向上を計り併せてスケールアップ化と実働試験を行い、本金属間化合物の標題材料への適用を試み以下の様な結果を得た。 1.クリープ特性の優れた金属間化合物の開発 Ni-Ti(7〜11at%)-Si(5〜12)-Co(1〜30)からなるNi(Si,Ti)-Co_3(Si,Ti)擬二元系金属間化合物ならびにこれらに微量のボロンとTa,Nb,Cr,Fe,Al,Hf,Zr等を0.5-3at%添加した金属間化合物が,実用材料であるインコネル7/8により優れたクリープ強度が得られることが示された。クリープ強度ならびに破断寿命の向上は、添加え素による固溶強化,適量のα相の析出,添加え素とSiやTiとの化合物の析出によるものと類推された。また、本化合物は、アルゴン溶解(アーク),高周波るつぼ溶解等の従来溶解法により製造が可能であり、加工性にも優れていることが示された。 2.耐食性ならびに延性に優れた金属間化合物の開発 Ni_3(SiTi)基金属間化合物にCu(0.5〜3at%),Ti(1〜4%),B(0.001〜0.01%)添加したもの,さらにはこれらにZr(0.5〜1%),Hf(0.5〜1.5%),Mo(0.5〜1%)を添加したものが、従来材料であるハステロイDやインコネル504より優れた耐硫酸性を示すと共に、構造材料としても十分に満足出来る延性,加工性を兼備していることが示された。 3.スケールアップと実働試験 Ni_3(Si,Ti)ならびにNi_3(Si,Ti)+Nb合金を高周波アルミナるつぼ溶解により、3kgの角ならびに棒状のインゴットを得た。引き続いて、鍛造・圧延の加工性,切削性を検討した後、実働試験用の部材を作製し、高温装置用部品として試用してみる予定である。
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