1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04555184
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
岡田 清 東京工業大学, 工学部, 教授 (80114859)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樽田 誠一 信州大学, 工学部, 助手 (00217209)
林 滋生 東京工業大学, 工学部, 助手 (20218572)
|
Keywords | アルミナ / ウィスカー / 機械的性質 / 気相反応 |
Research Abstract |
フッ化アルミニウムの加水分解反応を利用したCVD法によるアルミナウィスカーの合成を行う目的で零囲気制御の可能な電気炉(〜1400℃)を試作した。ガス供給系に分流式の湿度発生装置を組み込むことによりキャリヤガス中の相対湿度を0〜80%の相対湿度範囲で制御することが可能である。この装置を用い、(1)キャリヤガスの種類、(2)反応温度、(3)キャリヤガス流量、(4)水蒸気分圧などの諸困子を変化させてアルミナウィスカーの合成を試みた。その結果、(1)については不活性ガスの方が分枝のないウィスカーの育成に適していること、(2)については1000℃以上でウィスカーが生成するが成長に最も適しているのは1200℃付近であること、(3)については5〜10ml/min程度の範囲が適当であること、(4)については1〜2mmHg以上の水蒸気が存在する場合には有意な影響が見受けられないこと、などが明らかとなった。なお、現在までに得られた最長のウィスカー長は1〜2cm程度である。 得られたウィスカーの偏光顕徴鏡観察から、ほとんどは良好な単結晶であるが、中には双晶などの構造欠陥をもつものも存在することがわかった。一方、走査型電子顕徴鏡によるウィスカーの断面の観察から、大部分は長方形(A_1またはA_2型ウィスカー)であること、中には六角形(C型ウィスカー)な花弁状の貫入双晶と思われる形態のものも存在することがわかった。自作の器具を用いてウィスカーの引張り強度を測定した。その結果、引張り強度はウィスカーの断面積の大きさに強く依存して変化し、多結晶質のファイバーとは明らかに異なる挙動を示すことが明らかとなった。その引張り強度は10μm^2の断面積でおよそ数Gpaの値であった。
|