1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04555184
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
岡田 清 東京工業大学, 工学部, 教授 (80114859)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樽田 誠一 信州大学, 工学部, 助手 (00217209)
林 滋生 東京工業大学, 工学部, 助手 (20218572)
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Keywords | アルミナ / ウィスカー / 機械的性質 / 気相反応 |
Research Abstract |
前年度自作した雰囲気制御式電気炉(使用温度:〜1400℃)を1段式から2段温度制御方式へと一部改修を行った上でフッ化アルミニウムの加水分解反応によるアルミナウィスカーの合成を行った.前年度検討の結果得られた適正合成条件下で合成を続けた結果,合成に用いるアルミナ質耐火物の純度とウィスカーの生成とに密接な関連性があり,高純度の耐火物を使用するとウィスカーが生成しなくなることが明らかとなった. また,ウィスカーなどの反応物が生成する領域の詳細な観察から,ウィスカーの多くはその先端部にドロプレットを持っていることが観察された.これらの結果から,本合成法では,少なくとも長く成長しているアルミナウィスカーについてはこれまで考えていたVS(Vapor-Solid)機構ではなくVLS(Vapor-Liquid-Solid)機構で成長していると結論された.そこで,この成果を基にして来年度は不純物成分を積極的に添加して,それがウィスカーの生成,特にその長さに及ぼす影響について検討する予定である. ウィスカーの引っ張り強度について,昨年度用いていた岩永方式の他に万能試験機に特殊な持具を用いて強度測定を行う伊藤の方法を採用して,測定を行った.その結果,両方法でそれぞれ求めた値の間には有為な差は認められず,信頼のおける結果が得られていると判断された.ウィスカーの機械的性質はウィスカーの断面積の大きさに強く依存する.本研究で用いている2つの測定法のいずれも10μm^2以下のごく微細なウィスカーの強度測定は容易でなく,そのようなウィスカーの強度測定は来年度の重要な検討課題として残された.
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