1993 Fiscal Year Annual Research Report
固体内酸素イオンの熱拡散を利用するメンブレンリアクターの開発に関する研究
Project/Area Number |
04555201
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤元 薫 東京大学, 工学部, 教授 (30011026)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 洋 東京ガス, 基礎技術研究所, チームリーダー
小俣 光司 東京大学, 工学部, 助手 (70185669)
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Keywords | メタン / エタン / 酸化カップリング / エチレン / メンブレンリアクター / 混合導電体 / ペロブスカイト酸化物 / 反応分離 |
Research Abstract |
天然ガスの化学的な利用法の観点から本研究では酸化カップリングによる選択的エチレン合成を目的として種々のメンブレンリアクターを作成しその特性について検討した。これまで多孔質管に触媒薄膜を形成(タイプA)、多孔質管に触媒成分を含む液膜を形成(タイプB)、触媒酸化物そのもので管を形成(タイプC)、したものを試作した。本年度は特にタイプCについて検討を行なった。 タイプCについては外部回路を設けずに反応を継続させるために酸化物イオンと同時に電子が同時に移動する混合導電体を用いた。特にペロブスカイト酸化物で高い酸素移動度を示すものが知られておりそれらの本反応に対する触媒作用の検討を行った。そのLaCoO_3、La_<0.9>A_<0.1>CoO_3系(Aサイトを10%置換)、LaCo_<0.9>B_<0.1>O_3系、SrCoO_3、Sr_<0.8>A_<0.2>CoO_3系、SrCo_<0.8>B_<0.2>O_3系、が、タイプA、B型メンブレンリアクターの活性点モデルと考えられるPb_<0.02>Mg_<0.98>O酸化物より高いC2生成活性を示した。燃焼(COx生成)も含めたメタン転化率はLa_<0.9>A_<0.1>CoO_3系が際立って高く、C2の選択率はSrCo_<0.8>B_<0.2>O_3系が優れた結果を示した。特にSrCo_<0.8>B_<0.2>O_3系でBサイトに塩基性の酸化物を導入した際に高いC2活性、選択性を示した。SrCoO_3を用いてメンブレン反応器としての特性を検討した結果、長時間安定してC2を生成した。このときの全酸素消費量および酸化剤停止時の挙動から膜を通して酸素が供給されていることが示された。同一条件化でB型メンブレンと比較したところ広い温度範囲にわたって、選択性は低いものの表面積あたりのメタン転化活性は2桁程度高いことが示された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] T.Nozaki: "Oxidative Coupling of Methane with Membrane Reactors Containing Lead Oxide" Industrial & Engineering Chemistry Research. 32. 1174-1179 (1993)
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[Publications] T.Nozaki: "Utilization of Oxide Ion Transportation for Oxidative Coupling of Methane with Membrane Reactors" Studies in Surface Science and Catalysis. 77. 377-380 (1993)