1993 Fiscal Year Annual Research Report
機能性有機フッ素化合物製造用選択的電解部分フッ素化プロセスの開発
Project/Area Number |
04555202
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
淵上 寿雄 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (10016701)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
昆野 昭則 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助手 (50205572)
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Keywords | 機能性有機フッ素化合物 / 電解部分フッ素化 / 電解プロセス / 流通式電解槽 |
Research Abstract |
本研究はこれまで未発達であった電解部分フッ素化を実用プロセス化するための基盤作りを行おうとしたものであり今年度は以下の成果を得た。 1.α-フェニルチオ酢酸エステルをモデル基質とし、フィルタープレス型フローセルを用いて電解フッ素化を検討した結果、収率は若干低下するもののフッ素化が進行しα-位がフッ素化された相応するエステルが選択的に得られることが分った。このモノフッ素化体は電解液の流速には殆ど依存しなかったが、基質の濃度が高い場合には電流密度の影響を受け、特に高電流密度下でジフルオロ化などの副反応が併起するため収率、電流効率が低下することが分った。開放系では収率が低下するが窒素雰囲気下では収率の大幅な向上がみられた。また電解溶媒中に含まれる水分の影響も大であり、できるだけ脱水したアセトニトリルを用いた方がよいことも分った。隔膜をつけるとかえって収率が低下し、本フローセルによる製造試験では無隔膜の方が良い結果を与えたことは実用化の観点から重要な知見と思われる。さらに電極材料として白金のみならずカーボンシートやDSA(寸法安定性電極)が使用できることも明らかとなった。このように実用化を図る上で明るい見通しが得られたが問題点もいくつかあった。すなわち、長時間の連続運転を行うと各装置を結ぶチューブが劣化し、特に中の可塑剤が電解液中に溶解し、電解フッ素化の効率を低下させるという予期しなかった問題に遭遇した。現在、この問題を検討中であり、いずれ解決できるものと思われる。 2.対象を含硫黄複素環化合物に拡張した。回分式の場合に比べ収率が低下したがフローセルでもフッ素化が可能であることが明らかとなり、本電解法が多様なフッ素化合物合成の汎用プロセスとなり得ることが示された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 淵上寿雄: "Selective Anodic Partial Fluorination of Heteroatom Compounds" Reviews on Heteroatom Chemistry. 10(印刷中). (1994)
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[Publications] 淵上寿雄: "“Selective Anodic Partial Fluorination of Organic Molecules" in “Current Topics in Electrochemistry"" Research Trends,India, 13 (1994)