1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04555208
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
藤原 祐三 広島大学, 工学部, 教授 (10029481)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神徳 哲郎 出光石油化学(株), 化成品研究所, 室長
高木 謙 広島大学, 工学部, 助教授 (80116615)
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Keywords | ベンゼンよりフェノール合成 / パラジウム触媒 / O_2 / CO系によるベンゼンの酸化 / 酢酸パラジウム / フェナントロリン / 一酸化炭素 / ベンゼンの酸化 / C-H結合活性化 |
Research Abstract |
本試験研究はパラジウム触媒を用いてベンゼンから一段階でフェノールを合成する新反応プロセスの開発を目的としており,本年度の研究によって次の渚点が明らかになった。 1.パラジウム触媒 本研究はPd(OAc)_2/フェナントロリン/O_2(15atm)/CO(15atm)の反応系でベンゼンを180℃にて反応させるとフェノールが約1万%収率で高選択的(90%)に得られるという我々の見い出した反応に基づいており,さらに収率の向上を目指してパラジウム錯体としてPd(CF_3COO)_2,Pd(acac)_2,PdCP_2(CH_3CN)_2,Pd/C等を用いて検討した結果,Pd(CF_3Coo)_2およびPd(acac)_2はそれぞれ19,400%,16,200%の高収率を与え,頭初の目標のターンオーバー数150を達することができた。問題点としてはビフェニル等の副生成物が増加しフェノール選択率が低下することで,さらに添加剤等の反応条件の検討が必要である。 2.触媒濃度 同じ反応系でもPd(OAc)_2の濃度を低下させると(0.01mol%以下),フェノールの収率は急激に増加する。これはPdの再取化が促進されることによる。 3.添加剤 本反応ではO_2の一つのO原子を受容するためにCOを用いているが,これに代る添加剤を検討した結果,N-メチルモルホリンが効果のあることが判明した。なお,H_2を用いても同様にフェノールが得られるガ,O_2との共存下の反応は危険であるので実用的でない。 以上の成果をふまえて,次年度はさらに,触媒のターンオーバー数の向上及び反応の選択性の確保を重点に検討を進めたい。
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