1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04555208
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
藤原 祐三 広島大学, 工学部, 教授 (10029481)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神徳 哲郎 出光石油化学(株)化成品研究所, 室長
谷口 裕樹 広島大学, 工学部, 助手 (50217139)
高木 謙 広島大学, 工学部, 助教授 (80116615)
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Keywords | フェノールの一段階合成 / ベンゼンの酸素酸化 / パラジウム触媒 / フェナントロリン / 一酸化炭素 / C-H結合活性化 / 均一系触媒 / CO / O_2混合ガス |
Research Abstract |
本試験研究はパラジウム触媒によりベンゼンのC-H結合を活性化して,これにO_2を反応させフェノールを一段階で合成する新プロセスの開発を目的としており,これまでの研究により,Pd(II)/フェナントロリン/O_2(15atm)/CO(15atm)/180℃の条件でベンゼンを反応させるとフェノールが約16,000%収率(Pd基準)で得られることを見いだした。本年度は反応機構を中心に検討した。まず,^<18>Oを用いて反応を行った結果,フェノール^<-18>Oが生成し,フェノールの酸素原子はO_2からきていることを確認した。また,Pb-Pdの錯体を合成・単離してO_2と反応させると,やはりフェノールが生成することから,本反応はPb-Pdの錯体を経て進行することも明らかになった。この系でフェナントロリンが存在しない場合は,安息香酸が主生成物となり,またCOがない場合はビフェニルが主生成物となる。従ってフェナントロリンとCOの共存がフェノールの選択的合成に不可欠であり,二座配位子のフェナントロリンがPdに配位してキレートを作ることにより,中間錯体を安定化すると共に,COはO_2の一つのO原子を受けとりCO_2として除く役割と(C^<18>OOが生成することから確認),ビフェニルの生成を防ぐ二つの役割をしていることが分った。さらに,生成ガスを分析した結果,フェノール1モルに対してCO_2が約4モル生成していることが明らかになり,このCO_2の生成する副反応を抑制する条件を検討したが,この点は未解決のまま残った。さらにプロパンのC-H活性化条件も調べた。
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[Publications] Tsutomu Miyata: "Carboxylation of Propane with CO to Butyric Acids by Pd(II)/Cu(II)Based Catalysts." Chemistry Letters. 1005-1008 (1993)
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[Publications] Ken Takaki: "Palladium and Copper-Catalyzed Carboxylation of Alkanes with Carbon Monoxide." Bulletin Chem.Soc.Jpn.66. 3755-3759 (1993)
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[Publications] Yuki Taniguchi: "Nickel(II)-Catalyzed Ethylation of Cycloalkane via Thermal C-H Bond Activation" J.Jpn.Petroleum Institute. 36. 5161-5162 (1993)