1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04555210
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Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
大勝 靖一 工学院大学, 工学部, 教授 (20011009)
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Keywords | バイオマス / セルロース / アミロース / 糖脂質 / 加水分解 / グルコース |
Research Abstract |
単純な糖脂質がセルロース、キチンなどの炭水化物を穏やかな条件下に加水分解するという事実を見出した。これらの炭水化物の加水分解物は食品、薬品、合成原料などへの利用が指摘され、多くの成果が報告されている。本年度は最終年度として特にセルロースの加水分解の実用化に至るまでの基礎的諸条件を検討し、総括する。 セルロースの分解反応は糖脂質のベシクルを調製し、これを触媒として用いることによって行なった。反応はSomogyi-Nelson法により生成する還元糖を定量することによって追跡した。 糖とジラウリルアミン鎖の結合が直接か、または間接かで触媒の活性点が異なり、後者の間接基としてチアゾリジン環が活性の向上に有効であることが判明した。またこれにフェニレン環を使用した場合、直接型触媒の半分程度まで活性が低下した。多くの反応の結果、糖脂質触媒の活性の発現は2位の水酸基であるということが判っており、この解離にチアゾリジン環が寄与していることが分子模型的に確認できた。セルロースとアミロースの分子認識能については糖残基が同一ならば、ほぼ同じ分子認識能を示すこと、すなわち分子認識は糖残基のみに依存し、直接型、間接型に依存しないことも発見できた。また直接型、間接型の区別なく、高い分解活性を示すのはD-グルコース残基を有するものと判明した。
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