1992 Fiscal Year Annual Research Report
2次元相関分光法を用いた広帯域局所緩和スペクトロスコピーの開発
Project/Area Number |
04555213
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田中 肇 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (60159019)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大久保 優晴 日本分光k. k., ラマンシステム課, 技術担当マネージャー
池田 照樹 日本分光k. k., ラマンシステム課, 課長
山本 潤 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (10200809)
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Keywords | 2次元相関分光 / フーリエ変換赤外分光 / 局所緩和 / 粘弾性緩和 / 誘電緩和 / 顕微分光 |
Research Abstract |
2次元相関分光法の基本的アイデアは、外場変調によりプローブとして用いる分子運動を励起することにより、局所的分子配向運動の相関を見ることにある。その具体的方法としては、(1)外場に力学的振動を用いそれに対する双極子モーメントの配向緩和を用いる方法、(2)電場による電気的双極子の配向を用いて分子配向を誘起する方法などがある。本年度は、外場変調システムに関しては、我々が、高分子の粘弾性測定用に開発してきた圧電積層体を用いた装置を基本にして、赤外分光顕微測定に適したシステムの開発を行った。当初、マクロ測定用システムに歪駆動装置を組み合わせることを考えていたが、顕微用システム用のほうが開発しやすいことがわかったので、その様に計画を変更した。駆動部には、大振幅の駆動を可能とするため圧電積層体を用い、試料として用いるフィルムのサイズは、顕微システムに合わせて1〜2mmとした。この場合、1%以上の歪率は容易に得られ、赤外動的二色性の検出には十分であると考えられる。予備的に行った静的歪によるポリエチレンの分子配向への影響をみる実験においては、1%程度の歪率で偏向赤外光の強度に、十分検出可能な信号変化が検出され本システムの有効性が示された。本動的歪付加装置の性能は、応力検出系を用いた粘弾性測定を行うことにより調べたが、その結果、1kHz程度までの周波数帯域があることが明かとなった。システムの小型化により更に高周波化は可能と考えられる。現在、赤外分光器と上記システムの全体の調整を行うと共に、必要な信号処理系、分光器の改造、ソフトの開発を含め2次元相関赤外分光測定へ向けての準備を行っている。赤外分光装置の納入が多少遅れたため(9月下旬)、システム全体の開発に多少の遅れが出ているが、動的歪付加装置をはじめ周辺部の開発は順調に進んでおり、全体としても計画と大きな変わり無く順調に進んでいるといえる。
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[Publications] Hajime Tanaka,Toshikazu Fujioka,Toshio Nishi,: "A New Methods for Direct Determination of the Time Sequence of Nucleation from Spatial Pattern Divided by Spherulites:" Jpn. J. Appl. Phys.30,7B. L1310-L1313 (1991)
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[Publications] Hajime Tanaka, H.Tomita, A.Takasu, T.Hayashi, T.Nishi,: "Morphological and Kinetic Evolution of Surface Patterns in Gels during the Swelling Process:Evidence of Dynamic Pattern Ordering:" Phys.Rev.Lett.68,. 2794-2797 (192)
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[Publications] Hajime Tanaka, T.Suzuki, T.Hayashi, and T.Nishi,: "New Type of Pattern Formation in Ploymer Mixtures Caused by Competition between Phase Separation and Chemical Reaction:" Macromolecules,. 25,. 4453-4456 (1992)
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[Publications] Hajime Tanaka,: "Appearance of Movign Droplet and Unusual Networklike or Spongelike Patterns in a Phase-Sepatating Polymer Solution with a Double-Well-Shaped Diagram:" Macromolecules,. 25,. 6377-6380 (1992)
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[Publications] Hajima Tanaka,: "Dynamic Interplay between Phase Sepatation and Wetting in a Binary Mixture Confined in a One-Dimensional Capillary:" Phys. Rev. Lett.,. 70,. 53-56 (1993)
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[Publications] Jun Yamamoto, Yuka Tabe, Koji Okano,: "Anomalous Hydrodynamic Behavior of Lyotropic Smectic Phases of HydratedPhosholipid at Low Frequencies:" Jpn. J. Appl. Phys.,. 31,. L1560-L1562 (1992)