1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04555214
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology, Research Laboratory of Resources Utilization |
Principal Investigator |
市村 國宏 東京工業大学, 資源化学研究所, 教授 (90232412)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大江 靖 凸版印刷(株), 総合研究所, 研究員
山村 重夫 日本化薬(株), 化学品研究所, 主任研究員
玉置 敬 工業技術院物質工学工業技術研究所, 研究部長
池田 富樹 東京工業大学, 資源化学研究所, 教授 (40143656)
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Keywords | アゾベンゼン / 光異性化 / ネマチック液晶 / 高分子単分子膜 / 直線偏光 / 分子配向 / ポリメタクリレート / ポリイミド |
Research Abstract |
1)前年度に、アゾベンゼン高分子と低分子液晶との複合系による光画像形成の新原理を見いだした。すなわち、側鎖にアゾベンゼンを持つポリメタクリレート高分子薄膜を基板上に形成して直線偏光を照射すると、作成した液晶セル内での液晶の配向方向は照射偏光軸によって制御される。この結果、鮮明な画像が形成された。しかし、この画像の長期保存はできず、しかも、偏光照射面の回転による光再書き込みはできなかった。そこで、消去・再書き込みを可能とするために、アゾベンゼン系高分子の構造を種々変化させて、それらの薄膜による液晶分子配向の制御を試みた。 2)シリカガラス表面にアゾベンゼン骨格をそのオルト位から結合すると、液晶の配向が可逆的に直線偏光で制御できることをすでに見いだしている。そこで、アゾベンゼンをそのオルト位からポリメタクリレート主鎖に結合した高分子を種々合成した。このような結合様式のアゾベンゼン高分子はこれまでに報告がない。この高分子薄膜に直線可視偏光を照射してから液晶セルを作成したところ、均質な液晶配向状態が実現できた。しかも、このセルに偏光軸を変えた直線偏光を照射したところ、配向方向が任意に制御できた。これは、レーザーなどの単一光源からの直線偏光を用いて、その偏光軸の回転により光記録が可逆的にできることを意味する。 3)この光記録では、高分子膜表面に局在するアゾベンゼン分子が光配向し、それが液晶分子の配向を決定すると考えられる。このことを実証するために、アゾベンゼンを持つポリイミドの単分子膜を用いた。期待通り、基板表面に設けたこの高分子単分子膜も可逆的な液晶配向能を有することが実証できた。 4)以上の結果、開発が急がれている青色半導体レーザーを光源として想定した、可逆的な光記録原理の実証に成功した。これは、直線偏光による多様な分子配向制御という新しい手法を開拓するものでもある。
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[Publications] K.Ichimura: "Photoregulation of liquid crystal alignment induced by polarization photochromism of molecular films" Mol.Cryst.Liq.Cryst.246. 331-338 (1994)
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[Publications] Y.Kawanishi,Y.Suzuki,M.Sakuragi,K.Ichimura: "Laser-induced orientational change of nematic liquid crystalline mlecules mediated by photochromic reactions of surface azobenzenes." J.Photochem.Photobiol.A : Chem.80. 433-438 (1994)
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[Publications] H.Akiyama,K.Kudo,Y.Hayashi,K.Ichimura: "Photocontrol of azimuthal orientation of nematic liquid crystals by surface-modified poly) vinyl (alchohol) thin films," J.Photopolym.Sci.Technol.7. 129-131 (1994)
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[Publications] H.Akiyama,K.Kudo,K.Ichimura,: "Command surfaces.10.Novel polymethacrylates with laterally attached azobenzene groups displaying photoinduced optical anisotropy" Macromol.Chem.,Rapid Commun.16. 35-41 (1995)
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[Publications] H.Akiyama,M.Momose,K.Ichimura,S.Yamamura: "Surface-selective modification of poly (vinyl alcohol) films with azobenzenes for in-plane alignment photocontrol of nematic liquid crystals." Macromolecules. 28. 288-293 (1995)
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[Publications] 市村國宏: "基板表面層分子による液晶配向の光制御" 表面. 32. 671-679 (1994)
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[Publications] K.Ichimura,T.Seki,M.Sakuragi and T.Tamaki: "Photo-reactive Materials for Ultrahigh Density optical Memory" Elsevier, 28 (1994)