1992 Fiscal Year Annual Research Report
二次元における高分子ブレンドの凝集構造の測定装置の試作
Project/Area Number |
04555217
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
川口 正美 三重大学, 工学部, 助教授 (30093123)
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Keywords | 二次元 / 高分子ブレンド / 凝集構造 / 空気-水界面 / 楕円偏光解析 / 蛍光顕微鏡観察 / 表面圧 |
Research Abstract |
空気-水界面に展開した高分子ブレンド膜の凝集状態をその場観察するために、楕円偏光解析、ブレンドした一成分につけた蛍光物質の発光を利用した蛍光顕微鏡観察、および表面圧測定のできる装置の試作した。 1既存の楕円偏光解析装置の試料回りを改良して、表面圧測定、蛍光顕微鏡観察ができるしようにした。しかしながら、試料回りが手狭なので蛍光顕微鏡部分は取り外して観察することにした。これによって、より迅速な測定ができることが分かった。 2蛍光顕微鏡観察には、人工細胞の構築にも広く使用されているリン脂質の一種であるジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)に蛍光物質である4-ニトロベンゾ-2-オキト-1、3-ジアゾール(NBD)をラベルしたものを試料に用いた。DPPC単分子膜の特徴である相転移領域においてアルキル鎖の会合に伴う海島構造が表面圧の変化と共に観察された。よって、本蛍光顕微鏡でもって既に報告されているDPPCのデータを比較的良く再現できることが分かったのでDPPCとポリペプチド(ポリメチルグルタメート、PMLG)あるいは高分子電解質(ポリ-N-nアルキル-4-ビニルピリジニュームブロマイド、PVPy)とのブレンド膜について検討を行っている。 3表面圧測定から、DPPC-PMLGブレンド膜は相溶性であり、DPPC-PVPyブレンド膜は非相溶であることが分かった。一方、楕円偏光解析からも表面圧測定の結果、すなわちブレンド膜の相溶性を支持する結果が得られた。また、DPPC-PMLGブレンド膜の厚さは2-3nmであることが分かった。しかしながら、DPPC-PVPyブレンド膜では、その膜厚が薄いことを意味する定性的な結果しか得られなかった。
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