1992 Fiscal Year Annual Research Report
エアージェットスピニングの糸形成機構の解明と新素材開発
Project/Area Number |
04555219
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
西村 太良 京都工芸繊維大学, 地域共同研究センター, 助教授 (30027883)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
重山 昌澄 (株)村田機械, MJS事業部
森橋 俊文 (株)村田機械, MJS事業部, 部長
坂部 寛 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助手 (50107356)
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Keywords | 結束紡績 / 革新紡績 / エアージェット / 可視化 |
Research Abstract |
エアージェット方式の結束紡績は従来の紡績方法とは全く異なった紡績方法である。噴射空気を利用して繊維束を回転させ仮撚り加え、その仮撚りが解かれるのを利用して一部の繊維で繊維束を結束して強力を得る精紡方法である。そのため糸形成過程に不確定な部分が多く、糸形成過程の解明には、十分な観察と解析が必要である。本年は、糸形成部を観測出来るように、まず糸形成部の可視化に取り組んだ。金属製の糸形成部とほぼ同様の部品を透明なアクリル樹脂で作ることに成功し、結束糸の紡出も金属製部品を用いた場合とほぼ同様であることを確認した。現在そのノズルを用いて、糸の形成している付近を、高速度カメラ、高速度ビデオカメラ、ストロボスコープによって観測している。我々の実験に供している結束紡績機は糸形成部に2つのノズルを有している。一つは繊維束に仮撚りを加えるノズルで、もう一つは撚りの伝播をコントロールするノズルである。現在、フロントローラー付近への撚りの伝播、フロントローラーからデリベリーローラーの間の各区間のバルーニングの観測に成功している。さらに巻き付き繊維が中心繊維束に巻き付いていく様子が観測されている。 撚り分布については、色の異なった2本のスライバーを供給することによって紡出中の瞬間写真から撚りの分布を測定することができた。撚りが強く掛かっているのは2番目のノズル付近でデリベリー測へは直線的に減少しデリベリーローラー付近では撚りがなくなっている。フロントローラー測へは、フロントローラー直前まで撚り数は緩やかに減少し、フロントローラー直前で急激に撚りがなくなっていることがわかった。
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