1994 Fiscal Year Annual Research Report
芳香族ポリチオエーテルの新合成法とその性能に関する試験
Project/Area Number |
04555223
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
土田 英俊 早稲田大学, 理工学部, 教授 (90063461)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山元 公寿 生産開発科学研究所, 研究員 (80220458)
西出 宏之 早稲田大学, 理工学部, 教授 (90120930)
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Keywords | 酸化重合 / 芳香族ポリチオエーテル / スルホニウムカチオン / PPS / エンジニアリングプラスチック / バナジル錯体 / 空気酸化 |
Research Abstract |
平成6年度の研究計画に従い、下記の項目を強力に推進した。 1)芳香族ポリチオエーテルの特性試験 ジスルフィドの酸化重合により合成した芳香族ポリチオエーテルが、既存ポリチオエーテル系エンプラと比較して格段に優れた値(結晶化度90%、融点306℃、10%重量減少温度535℃)を示すことが明らかとなった。また、ジメチル置換基導入により得られる可溶性高分子量PPSは高ガラス転移点(189℃)を有する非晶性ポリマーであり、全組成領域にわたってポリスチレンと相溶することを示差走査熱量測定(DSC)から確認した。 分解特性の確認 スルフィド化合物を出発とする酸化重合により、スルフィドとスルホニウムが芳香環を介して交番結合したポリスルホニウムを新規に合成した。ポリスルホニウムは光照射(320nm)により、高効率で出発化合物(4-メチルチオフェニルチオベンゼン)に分解することを確認した。 以上より、本法により合成した芳香族ポリチオエーテルが従来にない高性能材料として興味ある特性を有しており、また、使用後原料への分解可能環境保全材料として目処が立てられたことは予想を上回る成果となった。
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