1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04555228
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小宮山 宏 東京大学, 工学部, 教授 (80011188)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 信弘 三井東圧化学(株), 総合研究所, 主任研究員
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Keywords | 超塑性 / チタニア / ケミカル・ベーパー・デポジション / ナノ構造材料 |
Research Abstract |
ナノメートルサイズの結晶粒からなるセラミックス材料、いわゆるナノ構造セラミックスは、セラミックス一般の欠点である脆さを克服し高い靭性を持つことが理論的、実験的に示されている。これまで、耐熱性、耐蝕性の高さから大きく期待されたにも関らず今一歩実用に遠かったセラミックスの本格的利用を開く為に重要な知見である。 本研究では、CVD法(気体原料を反応させて固体材料を作製する技術)を用いて、チタニアのナノ構造材料を作製することを目的とした。原料系として、通常用いられるチタニウムテトライソプロポキシドの替わりに、その類縁の化合物でより安定性に優れたチタニウムジビバロイルジイソプロポキシドを利用し、成膜を行った。 CVD法によるナノ構造作製の方法論は未だ確立させていないが、指針として、二つの考え方がある。一つは成膜速度を極限まであげ、結晶成長の速度以上の速さで成膜し、粒子成長を抑えるもの、今一つは、不純物を添加することで結晶子の成長を抑える事である。例えば窒化チタン系のCVDでは、窒化アルミニウムを加えることによりグレインサイズの大幅な減少を観察している。 粉体の発生など、高速成膜の好ましくない作用を鑑み、本反応系では複合化による微粒化の可能性を検討した。複合化の対象として鉛を選び、成膜条件と、その結晶性を検討した。その結果、本反応系では二次各の生成の影響が認められず、初期に基板上に発生した核がそのまま成長を続けているという、特異な成長モードを持つことが明らかになった。 この様な機構を持つ系では粒系制御の方法論も自ずと変更されるべきである。初期核の制御、すなわち基板制御が今後の課題となる。
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