1993 Fiscal Year Annual Research Report
水溶性高分子への吸着固定化による酵素の安定化・活性化と膜型酵素反応器への応用
Project/Area Number |
04555229
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
寺本 正明 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (60026086)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒野 良明 天野製薬(株), 開発第一部, 部長
松山 秀人 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助手 (50181798)
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Keywords | グルコース脱水素酵素 / 膜型酵素反応器 / 水溶性高分子 / 酵素の安定化 / NADH / NAD^+ / プラズマグラフト重合 / 荷電膜 |
Research Abstract |
1.各種カチオン性水溶性高分子添加によるグルコース脱水素酵素(GDH)の安定化と反応挙動の変化 これまでに用いてきたポリエチレンイミン(PEI),DEAEデキストラン(DEAE-D)は分岐を有する高分子であるが,今回直鎖状の高分子としてポリビニルアミン(PVAm)およびポリアリルアミン(PAA)を用い,GDHの安定化に対するこれらの添加効果を検討した.その結果,安定化効果としては,PEI>PAA>PVAm〓DEAE-Dであり,GDHはPEIの安定化に最も有効であった. 2.吸着による酵素の活性およびコンフォメーション変化 構造がよく解明されているリゾチームをシリカ微粒子に吸着させたところ活性がかなり低下した.微粒子に吸着されたリゾチームのCDスペクトルによれば二次構造にはほとんど変化がなかったが,蛍光スペクトルより活性部位がより疎水性雰囲気にあることが示され,微小な構造変化が活性の変化を引き起こしたことが示唆された.この結果は,GDH反応のVmaxがPEIなどの添加により変化しないことと対比された. 3.プラズマグラフト重合による多孔質荷電膜の作製 プラズマグラフト重合法によりポリエチレン多孔質膜にアクリル酸をグラフトし,高い負電荷密度を有する多孔質膜を作製した.この膜は十分な耐圧性があったものの,酵素膜反応器(限外濾過装置)にやや問題があり,負電荷を有する酵素や補酵素をこの膜が静電反発により阻止するかどうかに関する明確な結論は得られなかった.
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