1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04555230
|
Research Institution | Yatsushiro National College of Technology |
Principal Investigator |
種村 公平 八代工業高等専門学校, 生物工学科, 助教授 (20236714)
|
Keywords | 硝化 / 脱窒 / 蒸留廃液 / HRT / 流動床 / AFBR / 固定床 / 高度処理 |
Research Abstract |
平成5年度より脱窒、硝化の各リアクターの処理試験は合成廃水を用いて、またメタン発酵は6倍希釈した麦焼酎蒸留廃液を用いて実施し、それぞれの性能を評価した。これらの知見に基づいて、平成6年度はメタン醗酵・脱窒・硝化の各リアクターを連結した一貫システムにより麦焼酎蒸留廃液の連続処理試験を実施した。基本的には各リアクターのpHを7に制御し、脱窒処理水と硝化処理水は一定の返送比でそれぞれメタン発酵槽と脱窒反応槽に返送するシステムとし、下記の結果を得た。 1.実容量1160mlのメタン発酵槽に6倍希釈した焼酎蒸留廃液(TOC濃度約8000mg/l)を供給量約300mlより開始し、定常状態を達成した後約1.5ずつ供給量をステップ的に上昇させながら行なった。この結果、廃液供給量約500ml/dまでは各リアクターとも安定して推移し、TOCと窒素除去はほぼ完全に達成された。 2.しかしこれ以降、供給量を1200ml/dまで上昇させた時には各リアクター内のTOC濃度は急速に増加し、最終の処理水質となる硝化反応槽内のTOC濃度は200mg/l以上に上昇し同時にアンモニア濃度も急激に増加した。この急速な窒素除去能の低下は主として硝化反応の有機物による阻害に起因していると考えられた。また、その後廃液の供給量を低減しても硝化機能の回復は困難であった。 以上の結果より、焼酎蒸留廃液をメタン発酵・脱窒・硝化の一貫システムで安定的に処理するためにはメタン発酵槽での安定した有機物除去とともに硝化槽への有機物流入を極力避けるようなシステムが必要であると判断された。 この観点から現在、脱窒槽と硝化槽との間に有機物除去を目的とした好気性処理槽を設置したシステムで処理試験を継続している。
|