分子標識系を利用した飼料作物遺伝資源の簡易分析システムの開発

1994 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 04556039
• Research Institution: Hokkaido University
• Principal Investigator: 島本 義也 北海道大学, 農学部, 教授 (00001438)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 橋爪 健 雪印種苗(株), 中央研究農場, 主席研究員 ; 杉山 修一 北海道大学, 農学部, 助手 (00154500) ; 阿部 純 北海道大学, 農学部, 助教授 (00192998) ; 伴戸 久徳 北海道大学, 農学部, 助教授 (20189731) ; 三上 哲夫 北海道大学, 農学部, 教授 (50133715)
• Keywords: ペレニアルライグラス / 飼料用トウモロコシ / 培養細胞 / 飼料テンサイ / アイソザイム / 多様制 / RAPD / 品種判別

Research Abstract

1)ペレニアルライグラスのミトコンドリアDNAのRFLP像の多型について、品種間差異を調査した過程で品種内にも多型が見つかったので、特徴的な5品種を供試して詳細に調査した。2品種は単型であったが、3品種では多型が観察され、その中に他品種のミトコンドリア型と同じ型が含まれていた。したがって、ミトコンドリア型のRFLPによるペレニアルライグラス品種判別には複数の個体を検定する必要がある。
2)11酵素14アイソザイム遺伝子座を用いて、飼料用テンサイの品種判別が可能か否かを検討した。全体で20個の対立遺伝子が観察され、遺伝子多様度が高かったが、品種内における遺伝子多様度が高く、品種判別には多数の個体の遺伝子型を同定し、対立遺伝子頻度の特徴により品種を判別することができる。
3)ペレニアルライグラスの核遺伝子型と細胞質遺伝子型の関係を明らかにするため、アイソザイム遺伝子同型接合型のミトコンドリアDNAのゲノム型を調査した。ミトコンドリアDNAのゲノム型は、アイソザイム遺伝子型と同様に品種内多型が観察され、アイソザイム遺伝子型と特定の関係は見いだされなかった。
4)RAPD法によるトウモロコシの品種判別を目的に、10塩基の20種類のプライマーを用いてPCR法で特定のDNA断片を増幅した。大凡半分のプライマーによって多型DNA断片が多く観察された。多型DNA断片が多く観察サレタ少数のプライマーで増幅された多型DNA断片によってトウモロコシ品種判別が可能であり、RAPD法による品種判別の方法を確立した。しかしながら、PCRにより多くの多型DNA断片をだすプライマーの塩基配列に特徴は見いだされなかった。
5)3年間の成果をとりまとめた大凡100頁の報告書を作成した。