1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04557006
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
金子 章道 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (00051491)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 参郎助 慶応義塾大学, 医学部, 講師 (40162945)
|
Keywords | 網膜 / 双極細胞 / 凍結保存 / パッチクランプ / ジメチルスルホキシド / グルタミン酸応答 / ネコ |
Research Abstract |
本年度予定していた計画は以下の通りである。 1.ネコ網膜神経の単離:深麻酔したネコの眼球を剔出し、剥離した網膜をパパインを含む溶液中でインキュベートし、それをピペットに出し入れして機械的な操作によって細胞を単離する。 2.細胞の凍結保存:細胞浮遊液に8%のDMSOを加え、-80℃のディープフリーザーで凍結させる。 3.解凍と培養:さまざまな期間保存した凍結細胞を、37℃のバスに入れて加温し解凍する。解凍後、新たに培養液を加えCO_2インキュベーター中で培養する。 4.イオンチャネルと伝達物質に対する応答の記録:一部の細胞は解凍直後、また他の細胞は培養の後にパッチクランプ法を施して膜のイオン電流を記録し、凍結保存しなかった標本と比較する。 5.凍結保存材の比較検討:DMSO以外の凍結保存材を試験し、最良のものを決定する。 6.ヒト網膜、神経細胞の凍結保存:以上の技術が確立した後、ヒト由来の細胞について検討する。 本年度は、1.ネコ網膜の細胞を単離し、2.DMSO存在下、-80℃で保存し、3.解凍したネコ双極細胞に、4.パッチクランプ法を適用してイオン電流を測定した。その結果、凍結保存しない細胞と同様に、凍結保存した双極細胞でもグルタミン酸応答が発生することが明らかになった。この結果から、凍結保存によってもグルタミン酸に対する感受性は保存されることが明白となった。従って本課題研究を引き続き遂行する目処がついたので、5.6.の項目についてはこれからさらに検討していく予定である。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] 倉橋 隆・金子 章道: "嗅細胞の匂い情報変換とcAMP感受性イオンチャネル" 実験医学10、(No.6)増刊「イオンチャネルとレセプター」. 212-219 (1992)
-
[Publications] Ueda,Y.,Kaneko,A.&Kaneda,M.: "Voltage-dependent ionic currents in solitary horizontal cells isolated from the cat retina." J.Neurophysiol.68. 1143-1150 (1992)
-
[Publications] Downing,J.E.G.&Kaneko,A.: "Cat retinal ganglion cells show transient responses to acetylcholine and sustained responses to L-glutamate." Neurosci.Lett.137. 114-118 (1992)
-
[Publications] 河村 悟・金子 章道: "視覚の分子機構ー網膜ー" 分子神経科学の最先端厚生社.
-
[Publications] Kurahashi,T.&Kaneko,A.: "Gating properties of the cAMP-gated channel in toad olfactory receptor cells." J.Physiol.